医学講座

美容外科での死亡事故2014

 昨日の院長日記、
 無痛分娩で妊婦及び胎児が死亡した事例
 何度も思い出します。
 ほんとうに残念な事故です。
 私が妊婦さんの夫だったら、
 妊婦さんの父親だったら、、、
 …と悲しくなります。
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 残念なことですが、
 美容外科でも死亡事故はあります。
 数年前まで、
 ピンクのど派手なHPで、
 開院以来死亡事故ゼロと、
 大きく書いてあった美容外科チェーン店がありました。
 しばらくして、
 その開院以来死亡事故ゼロが消えました。
 業界では、
 ○○院で亡くなったといううわさがあります。
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 死亡事故をよく知っているのは、
 救命救急センターの医師です。
 札幌市内で異常が起きると、
 多くの患者さんは、
 市立札幌病院救命救急センターに搬送されます。
 DOA(心配停止状態)で搬送され、
 蘇生処置がなされて、
 心拍が再開しても、
 意識が回復しないまま亡くなることがあります。
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 私が知っている美容外科の死亡事故は、
 麻酔に関係する事故です。
 もう少し早く異常に気付いていれば、
 適切に処置がなされていれば、
 亡くならなくても済んだと、
 私は考えています。
 新聞でも、
 TVでも報道されていません。
 残念な事故です。
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 診療科目を問わず、
 医師は常に、
 自分も事故を起こす
 …と考えて診療にあたるべきです。
 大切なのは、
 もし異常状態になっても、
 適切に対処できる知識と技量です。
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 麻酔科研修の想い出⑥
 医療事故を防ぐには⑥
 …に書いたように、
 偉大な教育者とは、
 自分がした失敗を、
 いかに繰り返さないか…?
 ということを正確に教える人のように思います。
 たくさんの麻酔科教授を輩出した、
 札幌医大麻酔科学教室には、
 ケースカンファレンスという、
 症例検討会がありました。
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 私が研修していた当時は、
 医局長の本間英司先生が、
 閻魔帳(えんまちょう)と呼ばれたノートを持って、
 各手術室を歩いて見ていました。
 何かトラブルが発生すると…
 ケースカンファレンスで発表が、
 命じられました。
 毎週行なわれるケースカンファレンスでは、
 どうしてトラブルが起きたのか
 トラブルを未然に防ぐにはどうしたら良いのか
 などを詳細に調べて発表しました。
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 一人が起こしたトラブルは
 他の先生が起こす危険性があるからです
 熱心に討論が繰り返され、
 容赦ない質問が上の先生からも
 下の先生からもありました。
 こうした
 失敗から学ぶ
 失敗を共有する
 ということが、
 医学の発展には必須だと思います。
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 厚生労働省が行っている、
 医療安全政策はだめです。
 有益な情報はさっぱり伝わってきません。
 私は、
 医療事故情報センターニュースを、
 定期購読することをおすすめします。
 年間3,240円です。
 毎月一回送っていただけます。
 
 医療事故情報センター
 〒461-0001
 名古屋市東区泉1丁目1-35ハイエスト久屋6階
 電話:052-951-1731
 FAX:052-951-1732

 日本の医療事故が無くなることが、
 亡くなった妊婦さんと赤ちゃんの供養になります。
 心からご冥福をお祈りいたします。
 助けてあげられなくてごめんなさい。

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