医療問題
楽ではない医学部教員生活
医学部の教授や教官は、
アルバイトばかりしてけしからん!
…と思いませんか?
私に言わせると、
そもそも給料が安すぎるのです。
うちの奥さんから、
大学のお給料だけで、
どうやって生活するの?とよく言われました。
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医学部教授ともなると、
加入する学会だけで最低10以上はあります。
形成外科ですら、
学会の数が増えました。
内科や外科だと、
いくつあるのか想像もつきません。
学会に入ると年会費がかかります。
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1つの学会で、
最低1~2万円の年会費がかかります。
学会に参加するには、
飛行機代もホテル代もかかります。
年会費とは別に、
学会参加費がかかります。
学会にもよりますが、
1回ごとに最低1~2万円はかかります。
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医学部教授も給与所得者です。
サラリーマンと同じです。
高い学会費も、
学会へ出張する旅費も、
必要経費にはなりません。
全部自腹です。
大学から支給される出張旅費には、
限度額があります。
1~2回学会に行くと無くなる額です。
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教授ともなると、
国際学会にも行きます。
円安で大変なのに、
国際学会参加費も旅費も自腹です。
とても大学からのお給料だけではやって行けません。
アルバイト収入がないと、
医学部教員生活は成立しません。
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大学とアルバイトに書きました。
私は44歳で、北海道公立学校教員として北海道知事に採用されました。当時の知事は堀達也さんでした。
私が北海道からいただくお給料は、帯広厚生病院時代と比べて2/3になりました。
朝7:00過ぎには家を出て、帰るのは夜10:00頃でした。たまに徹夜の手術もありました。
時間外手当は一切ありませんでしたし、タイムカードもありませんでした。
大学という名のブラック企業という言葉も聞きます。
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困るのが病気になった時です。
アルバイトに行って日銭を稼げなくなります。
私たちが病気になった時に、
頼りになるのが傷病手当金です。
国の制度です。
傷病手当金はお給料の標準報酬月額で決まります。
アルバイトでたくさん稼ぐ先生も、
大学からいただくお給料は薄給です。
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病気になって傷病手当金をもらう時に、
標準報酬月額が低いために、
いただけるお金も少なくなります。
私が北大病院に勤務していた頃は、
病気で働けなくなった時のために、
所得保障保険に入っていました。
日本形成外科学会で斡旋していました。
私はアルバイト無しでも生活ができるように、
医学部教員の給与改善が必要だと考えます。