医療問題
楽ではない医学部教員生活
医学部の教授や教官は、
アルバイトばかりしてけしからん!
…と思いませんか?
私に言わせると、
そもそも給料が安すぎるのです。
うちの奥さんから、
大学のお給料だけで、
どうやって生活するの?とよく言われました。
■ ■
医学部教授ともなると、
加入する学会だけで最低10以上はあります。
形成外科ですら、
学会の数が増えました。
内科や外科だと、
いくつあるのか想像もつきません。
学会に入ると年会費がかかります。
■ ■
1つの学会で、
最低1~2万円の年会費がかかります。
学会に参加するには、
飛行機代もホテル代もかかります。
年会費とは別に、
学会参加費がかかります。
学会にもよりますが、
1回ごとに最低1~2万円はかかります。
■ ■
医学部教授も給与所得者です。
サラリーマンと同じです。
高い学会費も、
学会へ出張する旅費も、
必要経費にはなりません。
全部自腹です。
大学から支給される出張旅費には、
限度額があります。
1~2回学会に行くと無くなる額です。
■ ■
教授ともなると、
国際学会にも行きます。
円安で大変なのに、
国際学会参加費も旅費も自腹です。
とても大学からのお給料だけではやって行けません。
アルバイト収入がないと、
医学部教員生活は成立しません。
■ ■
大学とアルバイトに書きました。
私は44歳で、北海道公立学校教員として北海道知事に採用されました。当時の知事は堀達也さんでした。
私が北海道からいただくお給料は、帯広厚生病院時代と比べて2/3になりました。
朝7:00過ぎには家を出て、帰るのは夜10:00頃でした。たまに徹夜の手術もありました。
時間外手当は一切ありませんでしたし、タイムカードもありませんでした。
大学という名のブラック企業という言葉も聞きます。
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困るのが病気になった時です。
アルバイトに行って日銭を稼げなくなります。
私たちが病気になった時に、
頼りになるのが傷病手当金です。
国の制度です。
傷病手当金はお給料の標準報酬月額で決まります。
アルバイトでたくさん稼ぐ先生も、
大学からいただくお給料は薄給です。
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病気になって傷病手当金をもらう時に、
標準報酬月額が低いために、
いただけるお金も少なくなります。
私が北大病院に勤務していた頃は、
病気で働けなくなった時のために、
所得保障保険に入っていました。
日本形成外科学会で斡旋していました。
私はアルバイト無しでも生活ができるように、
医学部教員の給与改善が必要だと考えます。
“楽ではない医学部教員生活”へのコメント
コメントをどうぞ
学会、参加にお金がかかるのですか。
知りませんでした。
無知ですみません。
そうですよね、学会、交通費にホテル代かかりますね。
先生はこまめに参加されているので年間でかなり出費されてますね。
考えてもみませんでした。
お医者様は大変ですね。
高橋はるみ知事、ここはなんとかご検討を!
【札幌美容形成外科@本間賢一です】
コメントをいただきありがとうございます。大学病院の勤務医にとって学会の参加はかなり大変です。出張旅費も一部しか出ないところが多いです。学会の年会費などはすべて個人負担です。
大学病院ということですよね? 医療法人とか 個人経営のクリニックは 法人はその病院持ちになるのでしょうか? 個人経営のクリニックの先生は訪問診療日があり休診になりますが、それは利益目的より 市などへの地域貢献でしょうか? そんなに儲からないなら 大学病院からでて 法人経営の個人病院に行かないのはなぜでしょうか? 私は山形大学病院でのあの事件で白い巨塔を知ってしまい、あんな世界は嫌だと思いました。 私はただの患者だったのですが、、、
【札幌美容形成外科@本間賢一です】
コメントをいただきありがとうございます。大学病院や大きな病院の勤務医は、学会出張旅費に上限があるところが大部分です。多くの先生は、病院から支給される出張旅費より個人負担の旅費や学会参加費が多いです。もうからないのに大学病院にいるのは、専門医を取得するためとか、トレーニングを受けるためです。最近は大学の医局に入るのを嫌って、自分で研修先を選ぶ若い先生が増えています。大学病院には今でも白い巨塔はあると思います。