医学講座
月1の通院、管理料の実態は?
平成29年11月16日、朝日新聞朝刊、声の欄への投稿です。
月1の通院、「管理料」の実態は?
無職 杉村郁子(神奈川県 82)
持病の高血圧のため、月1度の通院を10年近く続けておりますが、最近かかりつけの医院を代えました。以前の所で疑問を感じることがあったからです。
そこは、診察室に入ると「お変わりありませんか。それではいつものお薬を出します。お大事に」。そして処方箋(せん)を頂いて終わりです。先日は代診の先生でしたが、血圧測定もなく「寒くなったのでお薬を倍にします」と言われただけでした。
窓口での支払いは490円でしたが、高齢者は1割負担ですので医療費総額はその10倍になります。明細書から計算すると内訳は再診料720円、外来管理加算520円、処方箋料が長期投薬加算込み1330円。さらに特定疾患療養管理料とあって、これが2250円です。医師が服薬や運動・栄養など療養上の管理をすることへの対価だそうですが、そのような指導はございませんでした。
多くの高齢者は慢性的な病気を持ち、私と同様お薬を頂きに通っていると思います。その処方箋を頂くのに、この診療内容で約5千円とは。医療費がかさみ、診療報酬の改定や高齢者の窓口負担の引き上げ案などが記事になっていますが、こうした診療の実態も改めて確認して頂きたいと思います。
(以上、朝日新聞より引用)
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朝日新聞を嫌いな議員さんもいらっしゃるようですが、
私は朝日新聞が好きです。
投稿者の杉村郁子様の疑問はごもっともです。
かかりつけの医院を代えられてよかったです。
形成外科には医学管理料はありません。
どんなに説明しても、
再診料だけです。
困るのがわきがではありませんです。
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特定疾患療養管理料を算定するには、
病名が特定疾患に該当すること、
しっかり指導し管理することが必要です。
残念なことですが、
ちゃんと説明もせずに、
特定疾患療養管理料だけ請求するところがあります。
厚生労働省の指導でも、
カルテしかチェックしないので、
適切に請求しているかわからないことがあります。
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2018年の診療報酬改定が話題になっています。
私が院長日記で書いても何も変わりません。
一人の日本国民として、
世界一ボトックスが高い国ニッポンなど、
同じ成分の薬なのに、
保険診療に使うというだけで、
薬価が高くなっている薬を、
何とかしてしてほしいです。