わきが
第62回日本形成外科学会(札幌)②
今日は2019年5月16日(木)です。
第62回日本形成外科学会で私が発表した内容です。
1540nmエルビウムグラスフラクショナルレーザーを用いた腋臭症治療
本間賢一
札幌美容形成外科
【目的】1540nmエルビウムグラスフラクショナルレーザーの腋臭症に対する有効性を検討した。
【方法】2018年6月から2019年5月。1540nmエルビウムグラスフラクショナルレーザー装置で治療を行った。リドカインクリームで表面麻酔を行い、1.5×1.5㎝角のXDマイクロレンズを使用した。。
■ ■
上の文章が抄録として2018年11月に提出したものの一部です。
フラクショナルレーザーを使って、
腋臭症の患者さんを治療しました。
今回の発表の結論は、
残念なことに
2019年5月の時点では、
手術にはかなわない
…というのが私の結論です。
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ただ著効例となった方もいました。
客室乗務員さんの手術
…に書いたようなケースです。
一度、外科手術を受けたものの、
一部に薄いアポクリン腺が残存した方です。
レーザー照射で満足する結果でした。
学会で他の先生からのご意見もいただきました。
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未治療の腋臭症患者さんには、
厚いアポクリン腺の層があります。
現在のレーザー装置では、
表層のアポクリン腺は処理することができても、
深部までは無理でした。
一度、外科手術を受けたものの、
薄いアポクリン腺の層が残っていて、
それが原因でにおいが気になる方は、
1540nmエルビウムグラスフラクショナルレーザーで改善する可能性があります。
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また思春期で、
まだアポクリン腺がそれほど発達していない時期に、
レーザー治療をすると、
においが改善する可能性が考えられました。
あざのレーザー治療は、
皮膚が薄い赤ちゃんによく効きます。
アポクリン腺の治療は赤ちゃんでは無理ですが、
においが気になる思春期の子供さんには、
効く可能性が考えられます。
学会会場にいらしたレーザーの大家の先生からも、
賛同を得られました。
残念なのは保険適応にできないことです。