医学講座
この肺みて手術する医者がいたら会ってみたい
昨日の院長日記、
インオペ手術不能に登場した、
この肺みて、
手術する医者がいたら会ってみたい、、、
…と発言されたのは、
消化器内科の先生でした。
もう少し別の言い方があったと思います。
■ ■
私が問題だと思ったのは、
この発言の他にもありました。
患者さんを消化器外科に紹介したり、
麻酔科に紹介したりして、
実際に手術を担当する先生が診ていないことでした。
消化器内科の先生が、
外科と麻酔科に相談して決めたそうです。
■ ■
私が病院長に手紙を書いたので、
担当の消化器内科部長も交えて、
少し丁寧に説明してくれたそうですが、
最後まで麻酔科や外科は受診していませんでした。
これでは、
患者さんも私も納得できませんでした。
私が札幌医大に診療情報提供書を書いて、
消化器外科と麻酔科に診ていただきました。
■ ■
肺気腫で在宅酸素を使っている患者さんでも、
手術の種類によって麻酔方法を選べます。
札幌医大麻酔科は、
私が最も信頼する麻酔科です。
札幌医大には、
高度救命救急センターや、
集中治療部があります。
最高のスタッフがそろっています。
■ ■
麻酔科の担当医は、
とても親切に患者さんを診てくださいました。
手術ができるように麻酔方法を検討してみます
…とても力強いお言葉をいただきました。
札幌医大第一外科、
消化器・総合、乳腺・内分泌外科のスタッフも最高でした。
できるだけ患者さんに負担が少ない手術方法を検討してくださり、
優秀なスタッフがついてくださいました。
手術に反対する外科医は一人もいなかったそうです。
■ ■
もちろん手術のリスクもあります。
患者さんには丁寧に説明してくださいました。
患者さんも私も、
安心して手術日を迎えました。
札幌医大の卒業生の一人として、
私は母校をほんとうに誇らしく思いました。
手術は無事に終了しました。
手術から2年以上経過していますが、
大腸癌の再発はありません。
■ ■
『この肺みて手術する医者がいたら会ってみたい』
…と発言された先生は、
手術をしてくださった先生には会っていません。
世の中には、
とんでもない医者もいれば、
素晴らしい先生もたくさんいます。
とんでもない医者はごく一部だと思いますが、
自分が病気になった時にどう言われたいか、
よく考えてほしいです。