医学講座
インオペ手術不能
今日は2019年12月9日(月)です。
未破裂動脈瘤
…では手術が絶対必要ではないのに、
先生から、
すぐに家族を呼んでください
手術が必要です
…と言われた患者さんのことを書きました。
■ ■
今日のタイトル、
インオペは、
英語のinoperable
手術不可能のことです。
手術を受けたいのに、
手術はできません
…と言われた患者さんから相談を受けたことがあります。
大腸癌でした。
いい病院ランクに出るような大きな病院です。
■ ■
患者さんは、
肺気腫という病気でした。
在宅酸素を使っていました。
肺の状態さえ問題がなければ、
ふつうに手術で切除できる大腸癌でした。
消化器内科の担当医は、
肺の状態が悪いので、
手術はできません。
…と患者さんに説明しました。
■ ■
手術で大腸癌を取り除かなければ、
次第に大腸が狭くなって、
便が通らなくなります。
ちょっと便秘しただけでもつらいのに、
最悪の場合は腸閉塞になります。
とてもつらいです。
■ ■
担当医の説明の仕方が下手でした。
この肺みて、
手術する医者がいたら会ってみたい、、、
…と患者さんに説明しました。
その話しを聞いて、
私の怒りが爆発しました。
なんてこと言うんだ(バカヤロー)
私は患者さんが手術を受けられるように、、、
いろいろ考えました。
■ ■
まず、その病院の病院長に手紙を書きました。
院長は専門は違いますが内科医です。
私と同年代のいい先生です。
院長に手紙を書いたら、
少し丁寧に診てくれたようです。
でも、
残念なことに回答は同じでした。
手術はできません。
■ ■
私は私が信頼する外科医に相談しました。
たけまさ先生なら手術を引き受けてくれるかもしれない、
そう教えてもらいました。
札幌医大第一外科、
消化器・総合、乳腺・内分泌外科教授
竹政伊知朗たけまさいちろう先生です。
私は面識はありませんでしたが、
紹介状を作成して診ていただきました。
■ ■
札幌医大麻酔科にも紹介状を書いて、
麻酔科の先生にも診ていただきました。
札幌医大麻酔科には、
とても優秀な麻酔科医がそろっています。
私が札幌医大に在職中にも、
難しい患者さんの麻酔をかけていただき、
無事に手術ができました。
■ ■
肺の状態が悪いので、
札幌医大でも慎重に検討してくれました。
リスクはあるけれども、
手術をお引き受けします。
…と回答をいただきました。
患者さんも私も、
涙が出るほどうれしかったです。
優秀な外科医は違いました。
手術は無事に終了し、
何のトラブルも起きませんでした。
■ ■
患者さんは、
無事に大腸癌を切除していただきました。
手術から2年を過ぎた今でも、
癌の再発はありません。
医者選びは、
ほんとうに難しいです。
もし私が大腸癌になったら、
迷わずに札幌医大の竹政伊知朗たけまさいちろう先生に手術をお願いします。
“インオペ手術不能”へのコメント
コメントをどうぞ
この患者さんは本間先生と
繋がることが出来て運命が
変わりましたね。本当に良い
ご縁だったと思います。
そして残念ですが、
お医者さまが皆、先生のような
心根お人柄とは限らないので
自分ができることは、ここで
学ばせていただいた知識を吸収し、
まわりの人にも伝えていけたらと
思っています。
今日もありがとうございました。
【札幌美容形成外科@本間賢一です】
コメントをいただきありがとうございます。私は今でも腹立たしく思っています。院長に手紙を書きましたが無駄でした。結果的にいい先生に手術をしていただき助けていただきました。他で手術不可能と言われた患者さんを見事に治すのはブラックジャックです。
このテーマだけは黙っておられませんので再び投稿させて頂きます。「この肺みて、手術する医者がいたら会ってみたい、、、」。この医師は論外です。もうこういう医師はいないと思いたいのですが、もし直面した場合、神経も労力も時間もお金も掛かりますが病院を変えるべきです(知り合いに信頼できる医師がいれば相談する)。
問題は、今のような医師の説明の仕方ではなく、本当にインオペラブルなのかどうかです。この医師の説明は聞いたことがないくらい信じられない説明ですが、確かに肺気腫で在宅酸素使用レベルの患者さんであるならば、やはり手術適応になるかどうか意見の別れるところだと思います。じゃあ患者としては一体どうしたらよいのか?昨日も課題を提示しただけで、ちゃんと解決策をなかなか表現できませんでした。本当に難しい問題だからです。言えること、それは、患者本人、そして家族や支える回りの方々が、本気でそして真剣に良くなりたい(可能性にかけたい)と思うことと同時に行動(調べる・セカンドオピニオンを行う・信頼できる医師に相談)することだと、私は考えます。
【札幌美容形成外科@本間賢一です】
コメントをいただきありがとうございます。ほんとうにこんな医者がいるなんて信じられない思いです。患者さんを外科医も麻酔科医も直接診ていないのです。聴診器を当てて呼吸音を聴いて、脈を取って丁寧に説明してくれたのならまだ許せます。消化器内科の医師が他科の医師と相談して決めたと言われました。ほんとうは病院名も医師の名前も出してやりたいのですが公表することはしません。もしメガネ様に困ったことがありましたら私でよければお役に立ちたいを思っています。腹立たしいですが院長でもコントロール不能でインオペだったんです。
インオペとは開腹手術してから
不可能と判断してました。
医療ドラマの見過ぎです。
今回インオペの正確な意味が
分かりました。
高飛車な心無い言葉のお医者様も
たまぁにですがいらっしゃいます。
しかし本間先生は諦めず
リスクはあるけれどと
手術を引き受けて下さる先生を
探されたのですね。
そして成功!
本間先生がいらっしゃらなければ
その患者さんは無くなってたでしょう。
命の恩人ですね。
本間先生の諦めない心
又、教えて頂きました。
大腸癌は竹政先生ですね。
お教え下さりありがとうございました。
【札幌美容形成外科@本間賢一です】
コメントをいただきありがとうございます。私も難しいかなぁ~?と思いました。患者さんは前のコンタクトオフビルの急な階段を上がって来られました。手術をしたいという意欲が伝わってきました。地獄で仏とはたけまさ先生でした。すばらしい外科医です。
テレビの観過ぎでしょうか?インオペとは手術していてもう手が付けられないので閉じてしまう事だと思っていました。今現在そういった場面に遭遇したとしても色んな事情により近くの病院を選ばざるを得ない場合があります。ただ近くにも出来る病院があるのにわからない場合があります。その方は親身な本間先生がいて良かったですね。私は看護部長宛てにFAXしました。それぐらいしか出来ませんでした。
【札幌美容形成外科@本間賢一です】
コメントをいただきありがとうございます。TVではそのような設定になっていたのですね。今は術前に画像診断などで詳しく調べるので手術して開腹してそのまま閉じるというのは少ないと思います。看護部長にFAXは効果的だったと思います。やさしいお姉様だと思います。