医学講座
未破裂動脈瘤
今日は2019年12月8日です。
形成外科医としての後悔から、
信じてはいけない先生の話しになっています。
未破裂動脈瘤のことを書きます。
札幌美容形成外科を受診してくださった、
患者さんから伺ったお話しです。
■ ■
ある立派な病院で、
脳神経外科の先生から言われました。
すぐにご家族を呼んでください。
未破裂の動脈瘤があります。
できるだけ早く手術が必要です。
患者さんは驚いて、
すぐに家族を呼んで先生のお話しを聞きました。
頭の中に動脈瘤があって、
破裂するとくも膜下出血になります。
…という説明でした。
■ ■
設備が整った立派な病院でした。
脳神経外科の先生から説明を受けました。
患者さんは不安になり、
仕事を辞めて手術に備えました。
頭の手術なので、
家族のすすめもあって、
別の病院でセカンドオピニオンを聞くことにしました。
■ ■
2軒の脳神経外科専門の病院で診てもらいました。
緊急手術が必要と言った病院はなく、
経過観察でもいいのでは?
…という意見でした。
患者さんは私にも相談してくださったので、
私は、
さわむら脳神経クリニックをおすすめしました。
澤村豊先生は私が信頼する脳神経外科医です。
■ ■
澤村豊先生は、
とても丁寧に診てくださいました。
診察の結果は、
手術の必要はないでした。
患者さんは安心して、
今まで通りの生活を送っています。
すぐに家族を呼んでください
…と言われた先生との違いは何なのかわかりません。
■ ■
未破裂動脈瘤は怖い病気です。
手術をするかどうかは、
ガイドラインによって決められます。
最終的に判断するのは、
医師と患者さん本人です。
未破裂動脈瘤の手術で、
後遺障害が残ることもあります。
先生を選ぶのは、
ほんとうに難しいと思います。
“未破裂動脈瘤”へのコメント
コメントをどうぞ
「脳動脈瘤があります。
すぐに手術を!」とお医者さまに
言われたら誰でも焦ります。
お医者さまによって見解が
違うとなるとセカンドオピニオンは
大事かと思いました。
難しい病気ほどお医者さま探しは
本当に大変ですね。
今日も信頼できるお医者さまの
ご紹介ありがとうございました。
【札幌美容形成外科@本間賢一です】
コメントをいただきありがとうございます。簡単な手術ではなく、手術後に後遺障害が残ることもまれにあるので難しい問題です。疑問に思ったら自分で他の病院を受診するのも一つの選択です。
セカンドオピニオンは
保険対応では無いのですか?
確かでは無いのですが
そんな事を友人から聞きました。
脳神経、困ったら
澤村先生ですね。
ご紹介ありがとうございます。
【札幌美容形成外科@本間賢一です】
コメントをいただきありがとうございます。セカンドオピニオン外来を受診すると保険外です。かなりの費用がかかる病院もあります。ご自分で誰かに相談して別のクリニックを受診するのでしたら保険診療です。自分の命にかかわることですから、他の先生を受診して正確な診断をしてもらうのは悪いことではないと(私は)考えます。
本間先生の仰られる「信じてはいけない先生」を知るのは、業界内の人と、その先生に直面することとなり、かつ、セカンドオピニオンを選択した患者さんだけです。この問題の克服がなかなか困難なのは、最初に診ていただいた先生に遠慮が働いてセカンドオピニオンの行動を抑制されてしまうことがあることと、それとなにより、動脈瘤の形や大きさからして必要がないのに手術実施による高い保険点数(収益)を得ようとする一部医師がいることです。更に複雑なのは、ちまたに氾濫するいわゆる”病院ランキング本”に掲載される病院の構成要素の一つが年間の手術件数であったりする点です。じゃあ一体どうすればよいのか?みんながみんな、身内に医療業界に詳しい知り合いがいるわけではありません。また、自分がその当事者になった時、そんな医師の説明に焦らずに、みんながみんな容易にセカンドオピニオンを選択する行動を取れるかは不明です。問題解決の本質は、優位的立場にある医師が、そもそもそんな診療報酬点数ありきの行動を取らないことですが、本当にこれは難しい問題です。本間先生、美容外科もそうかもしれませんが、脳神経外科領域では切実な問題だと思います。規模が大きく病院ランキング本にはいつも名前が出て有名な病院でこの事実があるという現実にです。
【札幌美容形成外科@本間賢一です】
コメントをいただきありがとうございます。メガネ様のご指摘通りです。脳神経外科を開業するには美容外科とはくらべものにならないくらいの投資が必要です。手術件数を増やすには【絶対適応】ではない患者さんにも手術をすすめなくてはいけません。問題なのは未破裂動脈瘤手術で頻度は少ないとはいえ後遺障害が残ることがある事実です。『先生の奥さんだったら手術をしますか?』『先生のお母さんだったら手術をしますか?』という問いに明確に『絶対に手術をします』と言えるのだったら手術を選ぶべきだと思います。
父は8人兄弟で兄の未破裂動脈瘤の手術をした先生が兄弟のうち4人の確率で未破裂動脈瘤があるので調べて頂けませんか?と医師に言われました。女の兄妹は既に寝たきりになっていてもう1人の姉は赤十字看護婦で結核で隔離された部屋で死後処置までして24歳で他界したと聞いています。あと3人中2人は検査しなかったのですが、父は検査したら見事に未破裂動脈瘤があり一生破裂しない人もいるし明日破裂するかもしれないと言われまだ69歳だし70だと医療費が安くなるからと言ったのに聞いてしまった父は、69歳でクリッピング手術を受け経過良好でした。私が脊髄腫瘍をした年の8月に母に異変が起きくも膜下出血でした。クリッピング手術かカテーテル手術か選択する事になりましたが、カテーテルのできる先生を頼むのに4日かかり開頭なら今からできると言われ開頭を選びました。出血した側が眼瞼下垂になりましたが助かりました。しかし反対側にもっと大きな未破裂動脈のがあり一ヶ月後に再び開頭手術をしました。一生破裂しないかもしれないし明日にも破裂するかもしれない未破裂動脈瘤。私も頭痛もちだったので今年も18日にMRIです。
【札幌美容形成外科@本間賢一です】
詳しいコメントをいただきありがとうございます。さくらんぼさんのご両親はいい先生に手術をしていただいてよかったですね。ほんとうに手術が必要な人とそうでない人の見分け方が難しいです。私は未破裂動脈瘤で後遺障害が残った患者さんの手術をしたことがあります。難しい問題です。