医学講座
形成外科医としての後悔
昨日の院長日記、
後悔などあろうはずがありません
…の続きです。
正直に申し上げると、
後悔はたくさんあります。
私が30歳の頃は、
植皮術が今より多かった記憶があります。
■ ■
植皮ほど難しいものはないと思います。
今でも100%完全に生着させるのは、
至難のわざです。
特に下腿に移植するのが難しいです。
血流の問題や、
固定の問題です。
私が手術をした患者さんの植皮が生着しませんでした。
■ ■
せっかく手術をしたのに、
手術のやり直しです。
とてもがっかりしていました。
函館中央病院形成外科病棟の
藤井順子婦長さんにはげましてもらいました。
再手術を承諾していただき、
何倍も緊張して手術をしました。
手術後の管理もしっかりしました。
幸いなことに再手術は成功しました。
当時のことは今でもよく覚えています。
■ ■
札幌医大をクビになった時は、
大学に未練はありませんでした
一番心配だったのが、
手術後の経過が思わしくなかった患者さんでした。
私を信頼して手術を受けてくださったのに、
突然、いなくなってしまい、
今でも申し訳ありませんという気持ちです。
マイクロサージャリーの手術後の患者さんでした。
私の残りの人生は後悔のないように生きるつもりです。
“形成外科医としての後悔”へのコメント
コメントをどうぞ
本間先生はご自身のことを神経質だとか頑固だなどと仰います。しかし、お会いしたことがある人もそうでない人も、本間先生は嘘をつかない、信用そして信頼できる先生であると、そう思っています。
【札幌美容形成外科@本間賢一です】
コメントをいただきありがとうございます。メガネ様には旭川のことなどたくさん教えていただきました。いつか北邦野草園をご一緒に歩いてみたいです。
植皮がとても難しい手術だと
いうことも本間先生の日記で学ばせて
いただきました。母が若い時に、
湯たんぽのやけどで皮膚移植をした
ところは少し違和感がありますが
きれいに治っています。
お仕事に信念をお持ちになり
実直な先生なので関わりのあった
患者さんから離れることは、
ざまざまな思いがあったと思います。
そんな先生だからこそ信頼なさって
患者さんがいらっしゃるのですね。
【札幌美容形成外科@本間賢一です】
コメントをいただきありがとうございます。植皮を100%生着させるのはほんとうに難しいです。手術結果がよくなかった患者さんのことはよく覚えています。函館中央病院でお世話になった藤井順子婦長さんはほんとうにお優しい方でした。
札幌医大に未練はなかったけれど
術後の経過が思わしくない
患者さんを置いて
去るのは心残りでしたか。
本間先生は心のそこから
お医者様なのだと思います。
折に触れてはそう思います。
素晴らしいです。
【札幌美容形成外科@本間賢一です】
コメントをいただきありがとうございます。耳鼻科で頭頚部再建をさせていただいた患者さんでした。術後経過が思わしくなく、今でも心残りです。申し訳ないことをしました。
再手術は患者にとり嫌なことです。そういった時は2回目も手術代を払うのでしょうか?後悔のない人生なんて送れるでしょうか?
【札幌美容形成外科@本間賢一です】
コメントをいただきありがとうございます。どんな手術でも手術前にICアイシーと呼ばれる『説明と同意』の文書に署名していただきます。植皮手術やマイクロサージャリーの手術では、植皮が生着せずに再手術になること、血管吻合部に血栓ができて緊急手術になることを説明して同意していただきます。手術が2回になっても3回になっても手術代はかかります。入院が長引いても入院費がかかります。医療側に明らかなミスがあった場合は手術代を免除することもありますが、無条件に無料にすると健康保険から罰せられます。ふつうの病院は賠償責任保険に入っているので、保険会社が審査して払うことにすれば患者さんに支払われることもあると思います。医療側は保険会社の同意を得ずに無料で再手術をすることはありません。