医学講座
人工呼吸器のこと
今日は2020年3月23日(月)です。
新型コロナ肺炎で世界中が大変です。
米国や欧州の他、
世界各国に感染が拡大しています。
東京オリンピックも延期です。
日本は感染者数、
死者数が少ないです。
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この新型コロナ肺炎のこわいところは、
急激に悪化するところです。
悪化すると、
人工呼吸器管理です。
ふつうの人は、
人工呼吸器がどんなものかわからないと思います。
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私が一番多く人工呼吸器の患者さんを見たのが、
市立札幌病院のICUでした。
集中治療室と呼ばれるところです。
毎日救急車が来て、
たくさんの患者さんを治療していました。
私も一人の形成外科医として働いていました。
34歳から40歳まででした。
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人工呼吸器を簡単に説明すると、
酸素を肺に送り込むポンプです。
どのくらいの量の酸素を、
どのくらいの圧で、
一分間に何回送るかを、、、
微妙に調節できます。
人工呼吸器をレスピレーターとも呼びます。
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患者さんを人工呼吸器で管理するには、
口や鼻から管を入れます。
挿管そうかんと言います。
気管切開と言って、
首の一部を切開することもあります。
通称、気管切開を気切きせつと言います。
患者さんは言葉を発することはできなくなります。
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大変なのが、
挿管した管から、
タンをを吸引することです。
体位も交換しなくてはなりません。
タンの吸引は細い管でします。
通称さくしょんと言います。
この操作をするのがICUの看護師さんです。
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ちょっとでも油断することはできません。
ICUで働く医師は、
救命救急の先生や集中治療の専門医です。
日本には、
日本集中治療医学会があります。
エクモという救世主
エクモを扱うのも集中治療室です。
日本の死者数が少ないのは、
集中治療ができる施設が多いからだと、、、
私は考えています。