医学講座

堂徳房子先生(93)大夕張の小学校で代用教員

 今日は2021年8月23日(月)です。
 今朝の北海道新聞に、
 とてもいい記事が載っていました。
 <人生100年時代 戦争を語り継ぐ>11大夕張の小学校で代用教員を務めた 堂徳房子さん(93) 朝鮮人差別、何もできず
 旧夕張高等女学校(現夕張高校の前身の一つ)を卒業したばかりの1944年(昭和19年)4月1日、16歳の私は代用教員として、大夕張地区の旧鹿島国民学校(戦後は鹿島小学校。1998年に閉校)に就職しました。当時は、男性教員の多くが戦地へ召集されたため、その穴埋めに女学校を卒業して間もない私も駆り出されたのです。
 同様に三菱大夕張炭鉱で働いていた日本人男性が出征し、労働力不足を補うため朝鮮半島から多くの労働者が動員され、家族持ちも少なくなかった。私の学校には、親が炭鉱で働く朝鮮人の子どもたちも通学していました。
朴ちゃん級長に
 当時、この学校は1学年5学級、児童数約1800人。私が受け持ったのは1年生約30人でした。クラスの人数が少なかったのは新任だったからでしょうか。この中に、朝鮮人の子どもは3人いました。日本語がわからず、授業はおろか、日常会話も難しく、なんとか手ぶり身ぶりで意思疎通を図りました。
 3人のうち1人は、私と同い年の16歳の男の子、「朴(ボク)ちゃん」でした。言葉の壁があるため、1年生に編入したのです。勤勉で、面倒見の良い優しい心の持ち主でした。私は一日も早く日本語を理解してもらいたいと、放課後に時間を見つけては、読み書きを補講しました。少しずつ日本語を話すようになると、私は2学期から彼を級長に任命し、彼ははりきって級友の面倒を見てくれました。
 召集されずに残っていた男性教員たちの中には、朝鮮人の子どもたちを殴ったり蹴ったり、水の入ったバケツを持たせ廊下に長時間立たせたりする人もいました。「日本人の方が偉いんだ」と朝鮮人を下に見ていたのですね。
 私はそれを、見て見ぬふりをしました。助けたかったのですが何もできなかった。せめて、自分のクラスの子どもたちだけは、大事にしようと思っていました。16歳の若さで、仕方がなかったと思う反面、無力だった自分が今も情けないです。
親の怒りが爆発
 終戦から4、5日たったある日、夏休み中で2学期の準備をしていたところ、校長から女性教員は防空壕(ごう)に避難するようにと指示がありました。朝鮮人の児童の父親10人ほどがスコップを手に学校に来て、「先生を出せ」「うちの子を殴っただろう」と怒鳴る声が聞こえました。自分の子どもが受けた仕打ちへの怒りが爆発したのでしょう。
 しばらくたって、朝鮮人の住む集落から人の姿が見えないとの話を聞き、急いで大夕張駅へ向かうと、「マンセー(万歳)、マンセー」と小旗を振りながら列車に乗り込む大勢の朝鮮人たちがいました。その中には朴ちゃんもいて、私に気付くと、笑顔を見せて丁寧に頭を下げてくれました。彼とはそれきりです。今も時々、どうしているかな、と思い出します。
 私はその後、教員資格を得て57歳まで小学校教諭を続けました。「お国のため」と思って教えてきたことが間違いだったと気付き、悩んだ時期もありましたが、教え子たちには戦争は二度と繰り返してはいけないと伝えてきました。子どもたちの明るい未来のため、平和が続くことを祈っています。(聞き手・有田麻子)
 =おわり=
略歴>堂徳房子どうとく・ふさこ 夕張市生まれ。終戦後は夕張第一小学校に勤め、26歳で結婚。長男を出産後も夕張や札幌の小学校で57歳まで教えた。退職後は豊平区役所でいじめや家庭内暴力の相談役を8年務めた。2008年に夫を亡くし、現在は長男夫婦、孫との4人暮らし。

「わら人形を竹の棒で『エイ』と突く訓練を、体育の授業でしたこともあります。当時はただただ、『お国のため』と真剣な気持ちで教えていました」と話す堂徳房子さん
(浜本道夫撮影)
(以上、北海道新聞より引用)

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 私の弟が鹿島小学校でした。
 大きな小学校でグランドの近くに、
 サルビアがきれいな教会もありました。
 堂徳房子先生を見て驚きました。
 93歳、昭和2年生まれ。
 私の母親より1学年上です。
 16歳で小学校1年生の担任の先生です。
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 同じ教室にいた、
 同じ年齢の
 朴ボクちゃんは、
 お元気でしたら93歳のはずです。
 私が住んでいた大夕張の社宅のすぐ近くに、
 夕張市立鹿島小学校がありました。
 こんな歴史があったことを知りませんでした。
 いい記事を書いてくださった北海道新聞社の有田麻子記者と、
 素敵な写真を撮ってくださった浜本道夫カメラマンに感謝いたします。

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