医学講座
北海道せき損センター美唄市外に移転案
今日は2023年7月2日(日)です。
今日の北海道新聞朝刊に美唄労災病院のことが出ていました。
今は北海道せき損センターになっています。
私は42年前に結婚する直前、
1981年4月から6月まで、
3ヵ月間美唄労災病院に勤務しました。
当時の院長は若松不二夫先生でした。
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私が小学校2年生の終わりから、
中学校1年生の5月まで住んでいたのが、
美唄市茶志内びばいしちゃしないです。
美唄労災病院はとても立派な病院でした。
労災病院の前に和田公園という公園があり、
夏はボート、釣り堀。
冬はスケートを楽しめました。
両親と行ったのを覚えています。
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医師になって2年目で、
まだ何もできない26歳の本間先生は、
自分が小さい頃に見ていた立派な美唄労災病院で働いて感慨深いものがありました。
私の上司は2期上の小椋哲実先生でした。
炭鉱が栄えていた頃はたくさんの患者さんがいましたが、
私が勤務した1981年は炭鉱は閉山していました。
美唄市の人口も減っていました。
それでも美唄労災病院は立派な信頼できる病院でした。
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2023年7月2日、北海道新聞朝刊の記事です。
美唄、拠点病院移転案に困惑 せき損センター市外視野に検討 市立病院縮小の矢先
【美唄】脊髄損傷患者の受け入れと同時に美唄市内の拠点病院の役割も果たしてきた医療機関「北海道せき損センター」が市外移転を視野に建て替えを検討していることが5月に明らかとなり、地域に動揺が広がっている。共に住民の健康を守ってきた市立美唄病院は年度内の完成に向け既に建て替え工事が始まったが、規模や機能はせき損センター存続を前提に縮小する方針だ。降って湧いた形で表面化した移転問題は、地域医療をどう維持するかという重い課題を地元に投げかけている。
■情報共有されず
せき損センターは炭鉱が盛んだった1955年、坑内で負傷した人などを診る労災病院として設立されたのがルーツ。現在は独立行政法人労働者健康安全機構(川崎市)が全国2カ所で運営する脊髄損傷治療の専門施設の一つだ。
交通事故や転落などによる脊髄損傷に対応する整形外科のほか、内科、皮膚科など8診療科があり、常勤医は15人。市民にとっては身近な医療機関でもある。市内の無職渡辺一夫さん(75)は「センターの存在は生活に安心感を生んでいる」。50代女性は「普通のけがでも駆け込むことがあった。『センターの先生に診てもらえれば大丈夫』という意識がある」と話す。
開設から70年近くがたつセンターは老朽化した施設の更新が課題だ。建て替えの話が持ち上がったのは10年ほど前とされるが、市側と詳しい情報は共有されなかったとみられる。市外移転を視野に入れていることが5月、報道で明らかになると地域に衝撃が広がった。
機構関係者によると、現在地での建て替えは①豪雪地帯であり降雪時の患者搬送に難がある ②重い合併症を発症した場合に集中治療が可能となる医療機関が遠い―ことがネックという。
加えて機構側には、再生医療など高度医療推進のため大学病院の近くが望ましいとの声もある。地元関係者の間では「北大や札幌医科大など再生医療に知見を持つ大学病院がある札幌市が有力」との見方が強い。
■市長選の論点に
4月に新市立病院の建設を始めた市には寝耳に水だった。病床数は人口減も踏まえ、現在の98床から約2割少ない75床とし、さらに15年後には60床に縮小する計画。市内最大の157床を有するせき損センターの存在を前提にしており、磁気共鳴画像装置(MRI)も同センターにあることから設置しない方向だ。
市関係者は「今になって移転問題が出てくるとは」と困惑する。市医師会の井門明会長(63)は「せき損センターの医師は救急医療を担っており、地域の救急医療が成り立たなくなる可能性がある」と懸念する。
6月の市長選でも論点となり、立候補した2人は共に引き留めに動く姿勢を示した。初当選し今月3日に市長に就く桜井恒氏(39)は取材に「残ってもらわなければ困る」との認識を強調。一方で「市外移転も想定しないといけない」と、せき損センターがなくなっても地域医療を維持する方策を併せて探る考えだ。
美唄市は南空知、中空知の中核的な病院がある岩見沢市と砂川市から約20キロ離れた中間地点。地域医療に詳しい城西大の伊関友伸教授(61)は「救急医療は岩見沢や砂川で行い、高齢者の療養や日常診療は地元が担うなど、地域や医療機関同士の役割分担と連携がさらに求められる」と話す。せき損センター移転問題は、持続可能な医療提供体制をどうつくるかの視点も交え、幅広い関係者で議論する必要がありそうだ。(三浦高志)
<ことば>北海道せき損センター 炭鉱の落盤事故で多発した脊髄損傷を伴う労災に対応していた美唄労災病院が母体。2008年に北海道中央労災病院(岩見沢)と統合されたのち、脊髄損傷医療を中心とした北海道中央労災病院せき損センターとして分院化され、2016年に改称された。現在は交通事故などで脊髄損傷を負った患者の手術からリハビリ、社会復帰のケアを手がける。労働者健康安全機構が運営するせき損センターは美唄のほか、同じく産炭地だった福岡県飯塚市にある。
(以上、北海道新聞より引用)
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元美唄市民で、
美唄労災病院に勤務したことがある私の率直な感想は、
美唄市外に移転も仕方がないかなぁ~と思います。
もし自分や身内がせき損になったら、
一番先に考えるのがステミラック注を使った治療です。
今は札幌医大でしかできません。
受傷後早期にしかできません。
これからのせき損治療は再生医療なしにはできないと(私は)思っています。