医学講座
医科と歯科の協力
昨日の日記(顔面骨骨折⑥)に
歯科のtetsuko先生からコメントをいただきました。
卒後在籍した教室は、
大浦教授時代の形成外科とチームを組んでいたので、
医科、歯科合同で症例に取り組む良さを実感しました。
患者さんの口もとを美しくしたい大浦先生側と、
患者さんにしっかり咬める歯並びを残したい歯科側の先輩とで
「どの歯を残す?抜く?」
と激しいやりとりをしていたのを思い出しました。
■ ■
私が北大形成外科に在籍していた頃…
北大では、
医学部と歯学部が、
合同でカンファレンスをしていました。
当時の医学部と歯学部は、
狭い渡り廊下でつながっていました。
医学部附属病院外来棟の奥に…
誰も気づかない扉がありました。
その扉を開けると、
冬でも暖房がない渡り廊下でした。
■ ■
そこを通って…
歯学部へ行けました。
同じ北大でも、
医学部と歯学部は組織も異なり、
当時は附属病院も別でした。
私は札幌医大を卒業したので…
口腔外科で抜歯の実習も、
連続歯牙結紮の実習もありました。
北大医学部を卒業した同期は、
北大ではそんな実習はなかったと…
札幌医大を羨ましがられました。
■ ■
今は北大も変わって…
医学部と歯学部の病院が一緒になりました。
30年前に、
大浦武彦先生がなさった、
医学部と歯学部の合同カンファレンスは…
実に画期的なことでした。
Medical(医科)のMと
Dental(歯科)のDをとって
MDカンファレンスと呼んでいました。
■ ■
私の恩師である、
北大形成外科初代教授の大浦武彦先生は、
素晴らしい先生です。
良いことは…
何でも積極的に改革されました。
私の記憶では…
歯学部の
矯正科と
第二補綴(ほてつ)科の先生が、
カンファレンスにいらしてくださいました。
■ ■
唇顎口蓋裂という、
生まれつきの病気があります。
その子どもたちが、
大きくなると…
口唇の他に、
顎骨(がっこつ)や
歯ならびなどの問題が生じます。
MDカンファレンスで
歯学部の先生から
たくさんのことを教えていただきました。
■ ■
歯学部の先生との協力で…
私が得たことの一つに…
咬み合せは歯科の先生の専門分野。
医科の医師免許で、
医師は
抜歯をするべきではない!
安易に歯は抜くものではない!
…ということを強く思いました。
■ ■
私たちは0.1㎜の精度でキズを縫います。
歯科の先生は0.1㎜以下の精度で…
咬み合せを調整されます!
北大形成外科には、
医師免許と歯科医師免許を両方持った
林利彦先生がいらっしゃいます。
大浦武彦先生がはじめられたMDカンファレンスは
今は顎顔面(MF)外来として、
北大形成外科の特殊外来で続けられています。
北大医学部は本当に新しい分野を開拓され患者のためを思って臨床に取り組んでいらっしゃる事がわかり改めて大浦武彦先生の人柄や偉大さがわかります。
素晴らしい取り組みです。医科と歯科が組んで治療にあたれば審美的にも機能的にもより良い医療を提供出来ますね。特に顔はその人の印象を決めるデリケートな部分でもありますから。 先生、FM放送拝聴いたしましたよ!PCでしたのでお姿も拝見出来て良かったです。 札幌も今日はかなり冷え込んだようですね。お風邪など召されませんように。
下顎の手術、口腔外科的な手術は見た目だけでなく噛みあわせや神経など考慮しての手術だと思うので、科を超えて協力体制が築けている病院は素晴らしいと思います。患者さんも安心ですね。
本間先生が御出演されているFM聞けませんでした(残念)どのようなお話をされたのでしょうか。
札幌美容形成外科における先生の治療方針や、その特徴として保険が使える治療(ワキガや眼瞼下垂症など)のこと等についてお話なさっていましたよ。
先生の実直なお人柄が伝わってくる内容でした。