医学講座

第35回日本美容外科学会(東京)②

 2日間の日本美容外科学会が終了し、
 昨夜、札幌へ帰って来ました。
 札幌は寒いです。
 今年の日本美容外科学会で、
 一番、会場がHotだったのは…
 次世代への提言
 日本美容外科学会をひとつに~よりよい美容医療を求めて~
 という特別企画でした。
      ■         ■
 座長は鬼塚卓彌先生(昭和大学名誉教授)と
 塩谷信幸先生(特定非営利活動法人アンチエイジングネットワーク)のお二人です。
 鬼塚先生の司会ではじまりました。
 5人の先生が意見を述べられました。
 残念なことに…
 拍手喝采で2つの学会が一つにはなりませんでした。
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 大慈弥裕之先生(福岡大学形成外科)が、
 昨年の第34回日本美容外科学会で討論された内容と、
 2つの学会が並存した場合の問題点を解説されました。
 同名の学会が2つあると、
 将来、日本美容外科学会専門医というのが…
 国から認められなくなります。
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 大慈弥先生のご発表では、
 たとえば、こちらの日本美容外科学会(JSAPS)の名称を、
 日本美容形成外科学会と変えて、
 日本美容形成外科学会専門医という名前にするのも、
 一つの方策であるということでした。
 英語名(JSAPS)をそのまま翻訳すると…
 日本美容形成外科学会となります。
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 大浦武彦先生が出席できなかったため、
 会長の佐藤兼重先生が大浦先生の原稿を発表されました。
 大浦先生は、
 第108回日本美容外科学会(札幌)で、
 貴重な発言をなさっていらっしゃいます。
 大浦先生は今までの歴史を解説され、
 統合への大浦案を提示されました。
 10年かけて2つの日本美容外科学会を一つにするという案です。
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 大浦先生は10年を、
 最初の5年と後の5年に分けられました。
 国が日本専門医機構というところで、
 ○○専門医を確立するという話しです。
 2017年というタイムリミットがあることが、
 10年を区切った一つの理由です。
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 蘇春堂形成外科の新冨芳尚先生が、
 今までJSASの梅澤先生や高須先生と協議されたことを、
 詳しく説明してくださいました。
 新冨先生は、
 十仁の梅澤先生、
 赤松先生、
 高須先生との経過をお話しされました。
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 波利井清紀先生は、
 美容外科の必要性を早くから認識されていました。
 昔、日本形成外科学会上層部で、
 美容外科に対する、
 意見の違いがあったことをお話しくださいました。
 私は波利井先生のお話しが…
 とても印象に残りました。
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 波利井先生は、
 東大病院に美容外科を開設された先生です。
 国立大学医学部に開設された、
 日本ではじめての美容外科が東大です。
 波利井先生のお言葉の一部です。
 (形成外科医)みんながマイクロで、
 みんなが癌の再建で、
 生きていけない
 波利井先生は形成外科医が生活の糧を得る手段として、
 美容外科の必要性を認識されています。
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 昔、波利井先生が美容外科について話された時、
 ある形成外科の先生が、
 形成外科専門医だったら…
 (美容外科なんて簡単に)できるわ…
 …と言われたことを例に出されていました。
 形成外科専門医だから…
 簡単にできるほど…
 美容外科は甘くないということを波利井先生はご存知です。
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 最後のご発表は、
 高須克弥先生でした。
 高須先生は、
 十仁系日本美容外科学会のリーダーです。
 第98回日本美容外科学会(JSAS)では、
 統合について、
 高須先生に一任というところまで進んでいました。
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 高須先生のお話しでは、
 昨年開催予定だった、
 第100回日本美容外科学会(JSAS)が東日本大震災で延期になり、
 統合への風向きが変わったとのことでした。
 高須先生はとても残念そうにお話しになりました。
 高須先生のお言葉の一部です。
 見よう見まねで覚えた美容外科医をなくし
 優秀な美容外科医を育てる必要があります
 美容外科大好きの高須先生は、
 優秀な美容外科医の育成には、
 しっかりとした学会と教育が必要だと講演されました。
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 今年も、
 やすみクリニックの木村知史先生が意見を述べられました。
 先生のブログで紹介されています。
 木村先生は、
 この問題について熱心に考えられている先生のお一人です。
 先生のブログにもたくさん書かれています。
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 最後に座長の塩谷先生が発言されました。
 いろいろと議論が出ました。
 次世代のために、
 若い先生を中心として、
 学会のためではなく、
 患者さんのためになるような、
 解決策を見つけましょう。
 …というごお話しでした。
      ■         ■
 今日の院長日記は、
 私の記憶とメモを基に書きました。
 議事録ではありません。
 もし間違いがあれば、
 コメントでもFBでも結構ですのでご指摘ください。
 来年の第36回日本美容外科学会で、
 よい方向で解決できればと願っています。

“第35回日本美容外科学会(東京)②”へのコメント

  1. まみ子 より:

    学会への御出席お疲れさまでした。

    私は塩谷先生がおっしゃるように、「学会のためではなく、患者さんのためになるような解決策を見つける」事が一番だと思います。

    どの科でも基本は患者さんのための医療だと考えます。

  2. さくらんぼ より:

    二つの学会が一つになる日が一日も早く来ることを願っています。 昨年は本間先生の札幌で開催予定でしたが、震災のため中止になり残念でした。

  3. なっちゅん より:

    学会お疲れ様でした。

    「学会のためではなく、患者さんのためになるような解決策を見つける」…非常に心に響く言葉です。
    そうあって欲しいと思います。

    美容外科では患者さんなのでしょうか?お客さんなのでしょうか?気になるところです。

    私事ですが、昨日生身の身体に車が追突してきて
    救急車で運ばれ、一泊二日の入院生活を送りました。

    最近、交通事故に縁があり、この縁をなんとも立ち切りたいです。

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