医学講座
HIV感染、発症19人【2014年札幌】
平成27年2月25日、北海道新聞朝刊の記事です。
HIV感染、発症19人
昨年の市内
前年比4人減 市、検査周知に力
新年度医療機関に情報発信
昨年一年間に、札幌市に新たに届け出があったエイズウイルス(HIV)感染者と、すでに発症しているエイズ患者数は前年比4人減の19人となったことが札幌市保健所のまとめで分かった。男性同士の性的接触による感染が最も多く、市は新年度、医療機関と連携しながら、エイズ検査や予防策の周知に力を入れていく。(片山由紀)
19人の内訳は、HIV感染者が13人、エイズ患者が6人ですべて男性。前年と比べ、エイズ患者が4人減った。感染経路は、同性間の性的接触が16人、異性間の性的接触が3人だった。
年代別では、HIV感染者は20代が8人、50代が2人、20代未満、30代、40代が1人ずつだったのに対し、エイズ患者は40代と60代以上が2人、20、30代が1人ずつだった。
また、市が統計を始めた1989年からの累計では、HIV感染者は166人、エイズ患者が91人で計257人。年代別では、30代が最も多く全体の4割を占めた。
市はHIVの予防対策として、各区保健センターーで月に2回行っている無料のエイズ検査などに加え、2013年から年にー度、男性同性愛者を対象としたエイズ検査も導入している。本年度は民間団体と協力し、約300回の検査を実施する計画で、昨年12月末までに1582人が検査を受けた。
また、市は本年度から医療関係者を対象に、エイズ感染症の基礎知識などを学ぶ公開講座なども開催。新年度は市のホームページに医療機関向けのHIVに関するサイトを設け、エイズが疑われる症状や検査の周知に関する情報を発信していく。
市保健所は「早期の発見が、エイズ発症の抑制につながる。あらゆる方面に協力を呼びかけて、検査を周知していきたい」としている。
(以上、北海道新聞より引用)
(以上、北海道新聞より引用)
■ ■
HIV検査
2008年2月25日の院長日記です。
ちょうど7年前です。
札幌美容形成外科では
メスを使う手術では、
全員にHIV検査をお願いしています。
これは、私が勤務した、
市立札幌病院、
帯広厚生病院、
札幌医大病院のすべてがエイズ拠点病院であり、
そこで、院内感染対策委員を経験したからです。
■ ■
特にJA帯広厚生病院では、
今から20年前からHIV検査を積極的に導入しました。
私たち医師でも、
病院全体で何人のHIV陽性者がいるかわかりません。
わかるのは、
検査部の検査技師さんです。
私は検査技師長から、
先生、開業されるなら
HIVを検査したほうがいいとすすめられました。
■ ■
私の知っている先生は、
救急外来で処置中に、
患者さんの血液が目に入りました。
患者さんの了解を得て、
HIVの緊急検査をしたところ、
なんと、
HIV陽性でした。
■ ■
その先生は、
院内感染対策マニュアルに従って、
抗HIV薬を内服しました。
かなり強い薬を、
何種類も内服しました。
体調が悪くなり、
診療が辛かったそうです。
■ ■
北海道新聞の記事によると、
私と同じ、
60代の男性が、
2人いるそうです。
30代が最も多く全体の4割を占めた
…と書かれていました。
30代の働き盛りがエイズは残念です。
男性同性愛者が風俗に行くかどうかわかりませんが、
この北海道新聞の記事を、
風俗で働く女性にも読んでいただきたいです。
署名記事を書いてくださった、
片山由紀さんに感謝しています。
“HIV感染、発症19人【2014年札幌】”へのコメント
コメントをどうぞ
検査で陽性が出たら手術できないんですか?
手術可能な場合、メスとか器具は使い捨てになるんでしょうか?
【札幌美容形成外科@本間賢一です】
陽性でも手術はできます。器具は使い捨てにはしません。メスの刃はHIVに限らずすべての患者さんで使い捨てです。器具の洗浄や処理方法を変えます。
今は手術前の血液検査にHIVがあるようで、山大では肝炎と一緒に結果を知りたいかという欄があったので、○をつけたのですが、教えられませんでした。 目に入ってもとは怖いですね。 血液検査で陽性だった人の手術にはゴーグルみたいな特殊な物を被ったりするのでしょうか?
【札幌美容形成外科@本間賢一です】
札幌美容形成外科では検査結果を封筒に入れて差し上げています。山形大学でも教えてくれると思います。目に血液が入っても感染するリスクは低いのですが、抗HIV薬の内服はすることになっているようです。血液が飛散する手術では感染症でなくてもゴーグルをします。救急車の救急隊員さんは必ずゴーグルをしていますね。