医学講座
名前が違うだけで中身は同じ薬
昨日の院長日記、
中身はインド製?プロペシアジェネリック
原産国がインドの原末を使って、
日本国内で製造された、
プロペシアジェネリック品があるという話題です。
インド製だから悪いとは言いませんが、
原産国くらいちゃんと記載しなさいというのが、
私の怒りです。
■ ■
逆に、
まったく同一成分の薬で、
名前が違うだけで、
仕入れ価格も、
販売価格も違う薬があります。
それが、
ザガーロとアボルブ
グラッシュビスタとルミガン
です。
■ ■
違うのは、
厚生労働省が決めた適応症です。
適応症とは?
ザガーロは『男性型脱毛症』への適応、
グラッシュビスタは『まつ毛貧毛症』への適応があります。
副作用などの健康被害が出た時に、
医薬品副作用被害救済制度及び製造物責任法という、
公的な制度による救済給付の対象となります。
■ ■
育毛剤の処方を開始します
2012年5月12日の院長日記に書いた、
医薬品医療機器総合機構の補償対象のことです。
札幌美容形成外科では、
ザガーロ
グラッシュビスタ
…は取り扱っていません。
理由は高いからです。
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グラッシュビスタが日本国内で発売される前に、
ラティースという薬を輸入して販売していました。
ラティースとルミガン
2010年8月11日の院長日記です。
札幌美容形成外科で売れたのは、
価格が安いルミガンだけでした。
ラティースの販売は中止しました。
ルミガンには細いブラシをお付けしています。
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ザガーロについて、
厚生労働省が出した通達があります。
保医発0928 第1号
平成27年9月28日
厚生労働省保険局医療課長
ザガーロカプセル0.1mg及び同0.5mgの医薬品医療機器法上の承認に伴うアボルブカプセル0.5mgの留意事項について
標記について、平成27年9月28日付けで医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(昭和35年法律第145号)第14条第9項の規定に基づき、ザガーロカプセル0.1mg及び同0.5mgについて承認がなされたことに伴い、本医薬品と有効成分が同一であるアボルブカプセル0.5mgに係る留意事項を下記のとおりとするので、貴管下の保険医療機関、審査支払機関等に対して周知徹底をお願いいたします。
記
アボルブカプセル0.5mgの留意事項について
アボルブカプセル0.5mgの効能・効果は「前立腺肥大症」であり、本製剤を有効成分が同一のザガーロカプセル0.1mg及び同0.5mgの効能・効果である「男性における男性型脱毛症」の治療目的で処方した場合には、保険給付の対象としないこととすること。
■ ■
アボルブカプセルを処方しても、
保険はききませんよ
…ということです。
札幌美容形成外科では、
アボルブカプセルを未承認品として、
処方しています。
医薬品副作用被害救済制度の対象となりません。
自己責任で内服してください。
中身はまったく同一品質です。
“名前が違うだけで中身は同じ薬”へのコメント
コメントをどうぞ
ルミガンは5000円でしたよね。
容量はどのくらいですか?
点眼するのではないのですか?
細いブラシを付けてくださるって???
今は気にならないのですが
早めから使用してたほうが
後々いいですか?
【札幌美容形成外科@本間賢一です】
コメントをいただきありがとうございます。ルミガンは容量2.5ccです。ラティースについているブラシは太すぎるので当院では細い歯間ブラシを差し上げています。点眼に使うよりずっと微量をまつ毛の根本にだけそっとつけるだけです。今は気にならないならつけることはありません。まつ毛貧毛の方にだけおすすめしています。
原産国が不明な薬を使用するのは、
不安になります。
同一成分なのに名前が違うだけで、
価格が違ってくる薬があるのは驚きました。
混乱してしまいます。
信頼できるお医者様にきちんと確認して
納得して服用するのが大切だと思いました。
【札幌美容形成外科@本間賢一です】
コメントをいただきありがとうございます。【自由診療】で保険外の目的に使う薬は同一成分なのに価格が高価です。たとえ薬害の時に救済措置が受けられなくても安い正規品を安価に使いたい人には処方しています。目的外使用なので未承認品扱いなのです。
髪の悩みは男女問わず多いです。 名前が違っても中身は同じというものがあるとは知りませんでした。
テレビで水谷豊さんが宣伝してるのは、本間先生のブログで耳にしたことがあるような。。
【札幌美容形成外科@本間賢一です】
コメントをいただきありがとうございます。中身がまったく同じなら(私なら)安い方を選びます。テレビで宣伝している製品の米国版がロゲインというお薬です。日本では未発売の泡になった製品(ロゲインフォーム)をおすすめしています。札幌美容形成外科の販売価格はTVで宣伝している製品より少し安いです。
初めて聞く名前の薬ばかりでした。第一線で働く人は勉強しているのですね。私には、関係ないことですが、当時者には大事な事ですね。男性の為にも頑張って欲しいです。
【札幌美容形成外科@本間賢一です】
コメントをいただきありがとうございます。ネット社会なので62歳になってもネットで海外も検索して、いい製品を安価に提供するようにしています。西高の時は英語で赤点を取りそうになったのに、今は英語が役だっています。西高時代の鬼とえんまの先生に感謝しています。
お題と違いますが、FBを開いたら本間先生の写真と裁判所が出てきました。 FBにコメントすると文字化けするようになりコメントできずこちらからコメントいたします。 先生がかなりお疲れのようでとても心配です。うまく行きましたか?
【札幌美容形成外科@本間賢一です】
ご声援をいただきありがとうございます。裁判は順調に進んでいます。2017年7月12日(水)13:45から私の証人尋問が行われる予定になりました。2016年12月に札幌美容形成外科の弁護士さんが変わりました。新しい弁護士さんが毎回4人も出廷していただき、とてもがんばってくださっています。ありがたいことです。
前立腺肥大症の薬が男性脱毛の治療薬【未承認】で使われていることは知りませんでした。
ただ、疾病でもないのに治療薬を使うのは不安ですよね。
このような時は信頼出来る医師から十分に説明を受け、理解した上で使ってほしいです。
【札幌美容形成外科@本間賢一です】
コメントをいただきありがとうございます。前立腺肥大症の薬を男性脱毛の治療に使うと【未承認】と同じ扱いになるということです。同じ製剤だったら両方とも同じ価格で販売してくれるといいのにと思います。