医学講座
開業形成外科医に必要な知識⑤
62歳の形成外科開業医として、
後輩形成外科医への助言です。
私のように、
ある程度勤務医を続けて、
開業を考えるなら、
保険診療をメインにすることをおすすめします。
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私の知っている先輩で、
美容外科は一切やらず、
保険診療だけで安定した経営を続けている先生がいます。
学生時代から美容外科医を目指している人は別として、
形成外科で開業するなら、
しっかりと保険診療ができることが条件です。
■ ■
美容外科は一見派手で、
♡もうかる♡
…ように見えますが、
儲かって、
フェラーリに乗れる先生は一部だけです。
フェラーリを買っても、
乗る時間がない先生もいます。
スピード違反で捕まることもあります。
■ ■
一人で開業して、
大手美容外科と同じようにするのは無理です。
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どれも個人開業医には似合いません。
大手と同じようしようと思うのは間違いです。
自分にしかできないことをするべきです。
■ ■
保険診療をメインにして、
自由診療を組み合わせるのはいいことだと思います。
勤務医時代には、
こんな治療をしてあげたいなぁ~
…と思っても、
病院の規則や方針によって、
できないことがあります。
公立病院で自由診療をするには、
議会の承認や、
条例改正まで必要なところもあります。
■ ■
価格競争で、
大手と競うのはやめたほうがいいです。
大手美容外科ですら、
脱毛料金は、
エステにはかないません。
エステの違法脱毛は、
無資格のエステティシャンが施術します。
医療機関とはまったく違います。
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保険診療で大切なのが、
レセプトと呼ばれる、
診療報酬明細書です。
勤務医の時代には、
医事課から分厚い書類を渡されて、
うっへぇ~
まいったなぁ~
手術で疲れているのになぁ~
…と思っていた先生も、
来月からは真剣に見てください。
開業医にとってレセプトチェックはとても大切なのです。