医学講座
かわいい孫の譲、奪った雪崩事故
平成29年4月9日(日)、朝日新聞朝刊、声の欄への投稿です。
かわいい孫の譲、奪った雪崩事故
農業 橋爪和雄(山梨県 88)
栃木県のスキー場付近で登山講習会に参加していた高校生ら8人が雪崩事故で亡くなった。私は、かわいい孫の浅井譲を失った。雪崩注意報が出ていたのに、主催した県高体連登山専門部がなぜ中止にしなかったのかわからない。
責任者は、3人で話し合って訓練の実施を決め、経験から「絶対安全だと判断した」と話していた。改悛(かいしゅん)の態度には見えなかった。
譲は娘の初産の子。我が家の近くの病院で生まれ、優しく、賢く育った。あの日、「おじいちゃん、苦しいよ」という悲鳴が脳裏を走ったが、身代わりになれなかった。
妹(11)は葬儀で、「大好きなお兄ちゃんが、あの世から帰って来て、また会うことができるまで、千鶴は生き続けるから、必ず帰って来てね」と語りかけた。
父・慎二は冷静かつ穏やかに「譲の死を無駄にしないためにも、二度と再びこのような悲惨な事故の犠牲者を出さないような社会にすることをただ願っている」と述べた。
私は、前途有望な少年たちを死に追いやった事故は、明らかに人災であり、裁かれなければならないという思いをぬぐい去ることはできない。
(以上、朝日新聞より引用)
■ ■
朝日新聞を読んで、
涙が出ました。
こころから故浅井譲さんのご冥福をお祈りいたします。
おじいちゃんの宝物。
譲は娘の初産の子。
我が家の近くの病院で生まれ、
優しく、
賢く育った。
あの日、
「おじいちゃん、苦しいよ」という悲鳴が脳裏を走ったが、
身代わりになれなかった。
■ ■
身代わりになれるものなら、
自分が孫の身代わりになりたかった。
とてもよくわかります。
私も同じ気持ちです。
残念な事故です。
二度と起こしてはならない人災です。
投稿者の橋爪さまと同じ気持ちです。
■ ■
私は、
30代後半を、
市立札幌病院で働きました。
それまで見たこともないような、
重度の外傷患者さんを診ました。
亡くなった患者さんもたくさんいらっしゃいました。
人生観が変わりました。
ドナーカードを持つようになりました。
■ ■
救命救急センターに患者さんが搬送されると、
医師も看護師も、
懸命に治療します。
搬送された患者さんが、
前途有望な若者だと、
何としても救命しようと思います。
心肺停止で搬入されても、
最後まで懸命に救命します。
■ ■
お父様のお言葉。
譲の死を無駄にしないためにも、
二度と再び
このような悲惨な事故の犠牲者を出さないような社会にすることを
ただ願っている
二度とこのような事故がない社会になってほしいです。
犠牲者のご冥福をお祈りしています。