院長の休日
悲しい交通事故
平成22年3月22日、北海道新聞朝刊の記事です。
RVが標識に衝突 北大の学生2人死亡
【共和】平成22年3月21日午後8時15分ごろ、後志管内共和町宮丘の国道で、札幌市中央区大通西27、大学生玉置陽生さん(22)が運転するRVが道路左側の案内標識に衝突、後部座席にいた同市北区北17西4、大学生井上真明(なおき)さん(20)と同市中央区北7西15、大学生小林里穂さん(19)が頭などを強く打ち、病院に運ばれたが間もなく死亡した。
岩内署によると、RVには5人が乗っており、玉置さんら3人は足や腰などを打つ軽傷。5人は北大のアイスホッケー部の部員で、20日から後志管内泊村のアイスセンターで練習を行い、札幌へ帰る途中だった。
事故当時、路面は圧雪アイスバーン状態で、同署はRVがスリップしたとみて調べている。
(以上、北海道新聞より引用)
■ ■
とても悲しい事故です。
亡くなられたお二人の
ご冥福をお祈りいたします。
5人は、
北大医学部歯学部アイスホッケー部の
メンバーです。
昨日の北海道は大荒れでした。
3月下旬としては
異常な悪天候でした。
■ ■
私も35年間、車を運転しています。
冬道でスリップしたことは
数え切れないほどあります。
何度かは、
車が一回転して、
対向車が来ていたら、
危うく衝突というところでした。
どんなに気をつけていても、
冬道は事故が起こります。
■ ■
25年間、
北海道各地の病院で、
形成外科医として…
交通事故の治療をしてきました。
形成外科医が関与する事故は、
死亡することはまれです。
救命救急センターへは…
ドクターヘリで搬送されても
救命できない患者さんも来ます。
■ ■
医療に携わっていて…
若者の死ほど辛いものはありません。
全力を尽くしても…
救命できないことがあります。
朝まで元気だった人が
何度呼びかけても
返事をしてくれなくなります。
残されたご家族のお気持ちを考えると
言葉もありません。
■ ■
私のまわりにも、
若くして亡くなった学生がいました。
日高の山で滝に落ちて死亡。
湘南海岸で水死。
北大の寮に帰る途中で、
ひき逃げされて犯人は不明のまま。
ニセコへスキーに行く途中、
中山峠で対向車と衝突して死亡。
若い命が失われるのは、
ほんとうに辛いものです。
■ ■
私も若い頃には、
友人たちと道内を車で旅行しました。
写真部の仲間とも車で旅行しました。
仲間と車で移動するのは、
楽しいものです。
せっかく苦労して合格した北大です。
事故は辛く悲しいことです。
亡くなられた
井上真明(なおき)さん(20)は北大歯学部、
小林里穂さん(19)は天使大学の学生さんでした。
■ ■
ご両親のお気持ちを考えると、
同じ親として、
お慰めの言葉もありません。
運転していた玉置陽生さんは、
北大医学部の学生さんです。
どんなに辛い思いでいることでしょうか。
自分の子どもと重ね合わせてしまいます。
運転していた学生さんの、
ご両親もどれほど辛いことでしょうか。
■ ■
私は学生さんの講義で、
毎年言う言葉があります。
大きな事故に遭う人は、
まさか自分が事故に遭うなんて…
考えてもみなかった人ばかりです。
せっかく苦労して入った大学です。
学生時代にしか
できないこともたくさんあります。
何をしても自由です。
でも事故にだけは気をつけてください。
もう一度、
亡くなったお二人のご冥福をお祈りいたします。
“悲しい交通事故”へのコメント
コメントをどうぞ
ニュースで事故を知り、アイスホッケー部員とマネージャーさんが亡くなられたのですね。アイスバーンの道路はほんとに滑ります。私たち雪国の者でしかわからないと思います。亡くなられたお二人の親御さん、残された方の気持ち。。 ご冥福を心からお祈りいたしております。
新聞で事故を知り息子と同じ北大生だねと思っていたら、夕方には女子学生が娘の天使大学のクラスメイトだと知り驚きました。娘は泣いています。親として、ここまで育ててきた子を亡くすことなんてとても受け入れられないはず…
三月も末でスリップ事故なんて、とても不幸だと思います。21日はとても天候が悪かったのに、どうしても行かなくてはいけなかったのでしょうか…
ご冥福を祈るとともに、ドライバーとしてこのような不幸を招かないようみなさんももう一度気をひきしめましょう。
この事故をニュースで知り、自分の子供と重ね合わせ、胸が締め付けられる
思いでした。
もう少し早い時間に出ていたら…。あそこで信号にひっかからなければ…。
予定を一日ずらしていれば…。もし…もし…と考えたら、受け入れる事なんて
なかなかできない事でしょう。
美瑛にある行きつけの酒屋さんのご子息は、あと数ヶ月で大学を卒業…
と言う時に交通事故に遭われ、後遺症でとうとう医師をあきらめ
家業である酒屋さんの四代目になられました。
親御様も、決心をされるまで長い長い時間がかかったそうです。
ご自分も、「もしあの日あそこに行かなければ」と何度も思い、「なぜ自分が
こうなってしまったんだろう…」と考えない日はないとおっしゃっていました。
残されたご本人…そして親御様…。生きているほうが辛いと思われるときも
あるかもしれませんが、どうか…亡くなった若者のためにも、しっかりと
強く生きていただきたいと思います。
亡くなられた学生さんは、さぞ無念でしょう。ご冥福をお祈り申し上げます。