医学講座

広範囲熱傷の治療戦略2019

 第25回日本熱傷学会北海道地方会で、
 一番印象に残ったのが、
 関西医科大学形成外科
 日原正勝ひはら_まさかつ先生
の特別講演でした。
 題名は、
 Damage control surgery として捉えるJACEⓇを用いた広範囲熱傷治療戦略
 です。
 衝撃でした。
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 日原正勝ひはら_まさかつ先生は、
 日本形成外科学会専門医、
 日本熱傷学会専門医、
 日本救急医学会専門医、
 3つも専門医を持った、
 熱傷治療のスペシャリストです。
 関西医科大学のご出身です。
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 もともと救急医学を志して、
 関西医科大学の救急医学講座に入局されました。
 学生時代は関西医大でラクビーをなさっていらした、
 スポーツマンです。
 私たちだったら救命が難しい、
 重症熱傷を救命していらっしゃいます。
 すばらしい治療戦略をお持ちです。
 どうしても助けたい熱傷患者さんは、
 関西医科大学病院の日原先生です。
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 日原先生のご講演から、
 先生が苦労して築かれた治療戦略が理解できました。
 先生ご自身が、
 救命できなかった患者さんから、
 助けてあげられなくて、
 ごめんなさい

 …というお気持ちで、
 お考えになられたことがよくわかりました。
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 熱傷治療をしていると、
 先生どうしても助けてください
 …と家族から懇願されることがあります。
 働き盛りのお父さんが、
 小さな子供さんを残して、
 ある日突然事故にあい、
 亡くなってしまうことがあります。
 医療者側も、
 何とか助けたいと思って毎日処置をしますが、
 救命できない熱傷があります。
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 関西医科大学病院、
 高度救命救急センターの日原正勝先生はすごいです。
 日原先生のご講演をお聴きして、
 私が救命できなかった患者さん
 もしかすると救命できたかも?
 …と考えました。
 形成外科の若い先生への助言です。
 私が特別講演でお聞きしたことです。
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 重度の広範囲熱傷患者さんを救命するためには、
 たとえ下肢を切断しても、
 熱傷面積を少なくする方法です。
 下肢切断は重大な選択です。
 救命できなくて命を落とすより、
 たとえ車椅子生活になっても、
 生きる選択が必要だと思いました。
 自分の身内が重症熱傷になったら、
 日原先生にお願いしたいと思いました。
 すばらしい広範囲熱傷の治療戦略です。
 ますますのご活躍を祈念しています。

“広範囲熱傷の治療戦略2019”へのコメント

  1. なっちゅん より:

    日原先生ですね。

    下肢切断は大きな選択を
    迫られますね。
    ですが命には変え難いです。

    そうなった場合は
    視野に入れておきます。

    ですがその前にパイプ洗浄剤に
    気をつけたいと思います。

    【札幌美容形成外科@本間賢一です】
    コメントをいただきありがとうございます。下肢を切断してでも助けたい命があります。日原先生は形成外科専門医、熱傷専門医、救急専門医と3つも専門医を取得した素晴らしい先生です。パイプ洗浄剤にも注意してください。

  2. さくらんぼ より:

    救命救急で働いておられる先生の話は凄いですね。足を切断してでも命を助ける。患者は難しい選択ですね。もし自分が酷い熱傷になったらドクターヘリは運んでくれるでしょうか?

    【札幌美容形成外科@本間賢一です】
    コメントをいただきありがとうございます。下肢を切断してでも助ける価値はあると思います。私が札幌医大に在職中に亡くなってしまった患者さんも、もし両下肢を切断していたら助かっていたかも?…と思いながらご講演をお聞きしました。ドクターヘリは山形から大阪までは飛べませんが適応があれば救命救急センターに運んでくれると思います。

  3. えりー より:

    日原正勝先生は、素晴らしい
    お医者さまなのですね。
    生きるために下肢を切断
    する選択をされる、お医者さまは
    大変なことだと思いますが、
    救える命を救ってくださる、
    お医者さまの力には感服します。
    自分も日頃から、やけどには
    注意したいと思いました。

    【札幌美容形成外科@本間賢一です】
    コメントをいただきありがとうございます。下肢の切断をするのは医療者側にとってもつらいこです。命と下肢のどちらを取るか?という時には切断の選択は正しいと思います。救命できなかった患者さんから教えていただいた治療戦略です。

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