医学講座
杉原平樹教授の教え③
今日は2020年12月18日(金)です。
毎日、亡くなった杉原平樹先生のことを考えています。
杉原平樹先生ご逝去
杉原平樹教授の教え①
杉原平樹教授の教え②
たくさんのことを教えていただきました。
■ ■
杉原平樹先生はスポーツマンです。
北大医学部の学生時代は野球部でした。
北大の医局対抗野球ではいつも活躍していました。
後輩の面倒見がいい先生でした。
決して、
俺が次の形成外科教授になるというタイプではありませんでした。
そんな杉原平樹先生が苦労されていたのが、
論文でした。
■ ■
私が市立札幌病院に勤務しながら、
北大形成外科で研究をしていた頃です。
杉原先生は、
毎日、遅くまで部屋で論文を書いていました。
先生の部屋には、
カップラーメンが箱で買ってありました。
お湯を入れて、
カップラーメンを食べて、
論文を書いていらっしゃいました。
■ ■
医学部の教授になるには、
手術が上手なだけではなれません。
国立大学の教授は、
全国から公募されます。
決めるのは北大医学部の教授会です。
どんなに手術が上手でも、
どんなにお人柄がよくても、
論文の数がなければ教授になれません。
■ ■
下は私の学位論文です。
Prefabricated Flaps Using Tissue Expanders
An Experimental Study in Rats
Homma, Ken-ichi M.D.; Ohura, Takehiko M.D.; Sugihara, Tsuneki M.D.; Yoshida, Tetsunori M.D.; Hasegawa, Takashi M.D.
私が学位を取得する時に、
教官として指導してくださったので、
Sugihara, Tsunekiのお名前があります。
■ ■
私は論文を書くのが苦手でしたが、
毎晩、カップラーメンで論文を書いていらした、
杉原平樹先生を見習って、
論文を書くようになりました。
こんなことを書くと、
すぎさんに、
本間!(そんなこと書くな!)
…と怒られそうですが、、、
私の思い出の一つです。
心からご冥福をお祈りしています。
“杉原平樹教授の教え③”へのコメント
コメントをどうぞ
いい思い出ですね。
ほっこりしつつも、
目頭が熱くなりました。
【札幌美容形成外科@本間賢一です】
コメントをいただきありがとうございます。たくさん思い出があります。私が学位をいただいた頃に杉原平樹先生も毎日論文を書いていらっしゃいました。先輩を見て自分もがんばろうという気持ちになりました。いい想い出です。
杉原平樹先生は運動神経も
抜群なのですね!文武両道すばらしいです。
決して目立とうとせず大変な論文にも
努力なさって、そのような方こそ
信頼できるお医者さまだと思いました。
本間先生も論文は苦手でいらしたの
ですね。尊敬できる方との出会いは
人生の宝物だと以前読んだ本に書いて
ありました。
杉原先生のご冥福を心からお祈りいたします。
【札幌美容形成外科@本間賢一です】
コメントをいただきありがとうございます。俺がオレがという先生ではありませんでした。ご家庭を大切にする先生でした。奥様も私たちにラーメンを作ってくださったり、医局の集まりでも親切にしていただきました。いい先生でした。
大変努力なされた先生でしたね。論文をたくさん書かないと教授になれないのですね。いい先生が教官だったから今の本間先生があるのですね。心より御冥福をお祈りいたします。
【札幌美容形成外科@本間賢一です】
コメントをいただきありがとうございます。教授になるには英文で論文をたくさん書かないとなれません。しかもインパクトファクターという数値が高い論文が必要です。手術が上手でお人柄がいいだけではなれません。俺が次の教授になると公言する先生もまれにいますが、なれなかった人もいます。何もできなかった私を形成外科医に育ててくれた恩師の一人が杉原平樹先生です。ご冥福をお祈りしています。
研究熱心で、お好きなカップラーメンを時間節約で杉原教授は論文書いてらっしゃったんですね。本間先生は良い先生のもとで学位がとれて良かったですね。
書き手が、テーマを決めて【核となるデータ、根拠】を明示して、更に反対の参考文献も引用し、比較して書き手ある自分の研究に一定の根拠があり、有用性があるとなれば進歩です。
逆にこういう失敗があったからこう治療しようとか考えられる先生も素晴らしいと思います。本間先生はちゃんとブログで色んな疾患や時事ネタにもふれて注意喚起もしてくださいます。ありがとうございます。
研究や論文に限らず、根拠をしっかりして文章がしっかりしてる人には熱意といいますか心を動かされますね。
【札幌美容形成外科@本間賢一です】
コメントをいただきありがとうございます。国立大学の医学部教授選は大変です。全国公募なので准教授が教授になるとは限りません。最近は手術を審査するところもあるようです。杉原平樹先生は教授に就任されてから大学院での研究を推進されました。科学研究費もたくさんいただいていました。日本形成外科学会理事長としてもご活躍されました。ご立派でいい先生でした。