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チェリー危篤

 愛犬のチェリーが危篤になりました。平成4年3月16日に北海道の紋別市で生まれたメスのシェルティです。平成4年5月に札幌市北区のホームセンター松崎という、今はもうなくなってしまったホームセンターで購入しました。ワンにゃんフェアーのチラシを見て家内と子供と見に行きました。
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 そのころ流行っていた犬種はシベリアンハスキーでした。フェアーはホームセンターのレジ近くで、豊平区のフェニックスさんというお店が開いていました。シェルティは確か3匹いたと思います。その中で、一番人なつっこい犬がチェリーでした。
 家内の『イヌの世話は誰がするの?お金もないしダメ』という一言で一度は諦めました。一日、その仔犬のことを考えながらボ~っと過ごし、嫌がる家内を何とか説得して夕方にもう一度イヌを見に行きました。もう売れてしまったかなぁ?と思っていたイヌは『売れ残って』いました。子どもの『お母さん、お金がないならボクたちおやつガマンするから買って!私もイヌのお世話をするから飼って!』という援護射撃もあって、私はそのイヌを買いました。
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 家につれて帰ると、不安のためか?ガタガタ震えていました。その晩は私がイヌの傍に寝て様子を見ていました。一週間後、私が休日に北大で実験をしていると、『お父さん、チェリーが下痢をして止まらない』と家内から電話がありました。
 ペットショップに指定されたドッグフードを与えていました。豊平区のフェニックスさんに連れて行き、大井動物病院を紹介していただき点滴をしました。最初はなかなか下痢が止まらず、もうダメか?と思いました。仔犬の時から点滴をしても吠えたり暴れたりせず、自分の子供(当時は小学生)よりよほどおとなしいイヌでした。(子供は注射や点滴が大嫌いでよく暴れていました) チェリーはガマン強いのか自分のためにしてくれる‘治療’だとわかっていたのでしょうか?自宅でも私が点滴をして治療し回復しました。その後は大きな病気もせず元気に過ごしました。
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 私は昭和29年生れです。子どもの頃にテレビが普及しました。日曜日は朝の鉄腕アトムを楽しみにしていました。私が好きだったテレビ番組に『名犬ラッシー』がありました。テイミーという子供とラッシーを見て、私もティミーのように部屋でラッシーと暮らしたいと思っていました。
 名犬ラッシーはミツワ石鹸が提供していました。番組の後で何回か「ラッシーの仔犬プレゼント」という懸賞をしていました。今から考えると、米国犬のラッシーの仔犬が日本で入手できる訳がないのですが、私はラッシーの仔犬が欲しくて何度も応募しました。
 当時の少年雑誌(マガジンとかジャンプ)に浅草ケンネルという会社の広告がよく出ていました。そこではじめてシェルティーという犬種があるのを知りました。少年時代には犬の図鑑でコリーやシェルティをよく見ていました。
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 私の子供の頃からの夢が、自分の家でシェルティかコリー、つまりラッシーを飼うことでした。
 ホームセンターのワンにゃんフェアで買ったチェリーですが、実にかわいいワンコでした。シェルティは臆病なのでよく吠えると言われます。チェリーはあまり吠えませんでしたが、どういうわけか郵便屋さんが嫌いでした。散歩をしていても郵便屋さんには‘必ず’吠えていました。本当に申し訳ございません、といつも頭を下げて謝っていました。
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 私の子供の頃からの‘夢’であったラッシーとの生活。ティミーとは違いましたが、チェリーがいて楽しい15年間でした。
 飼うのを一番反対していた家内が結局一番世話をしました。子供は「ボクおやついらないから」と言っていたのに、散歩もウンチの世話もあまりしませんでした。
 昨日からチェリーは何も食べなくなりました。大好きだった夕張メロンを奮発して買いましたが、口に入れても食べることができません。
 平成18年10月22日(日)に胸にできた悪性リンパ腫を手術しました。今は数箇所に皮膚転移があります。10月に余命1~3ヵ月と言われました。それから8ヵ月です。よくがんばったものです。
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 幸いチェリーは苦しんだりしていません。眠っているようにゆっくり呼吸をしています。
 81歳になる私の父が、なんとかこのまま楽にしてやれないものか?と言いました。
 苦しんでいるのでしたら安楽死も考えますが、このまま永遠にゆっくりと眠らせてやりたいと思います。
 私の夢をかなえてくれ、家族の一員として、私たちに安らぎと幸福を与えてくれたチェリーに感謝します。
 あと一週間生きてくれたら、私の好きなラベンダーが咲くのでラベンダーに包んで葬ることができますが、それは無理なようです。

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