医療問題
未受診妊婦
平成19年12月16日、北海道新聞朝刊の記事です。
未受診妊婦の1割飛び込み出産経験
費用未払いは4割 医師調査
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妊婦検診をほとんど受けないまま、出産時にいきなり病院に来る「未受診妊婦」の一割強は、過去にも飛び込み出産したことのある″リピーター″だったことが15日までに、日本産婦人科医会広報委員の前田津紀夫医師の調査で分かった。
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また、医療費未払い率も4割に上り、同医会は「未受診は母子のリスクが高いだけでなく、(医師や病床などの)医療資源を浪費することになり、社会的にも問題」としている。
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調査は、未受診妊婦に関する過去の文献と、静岡県内の五施設の受け入れ状況調査を合わせ、計586人分について分析。
未受診妊婦は年々増える傾向にあり、対象のほとんどは最近5年以内の事例だった。
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未受診者の妊婦全体に占める割合は、0.2~2%。年齢は10代が14%、20代が43%、30代が40%。10代は、日本の妊婦全体では2%にすぎず、率の高さが目立つ。
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10代の初産婦が多い一方、出産4回目以上の人の割合も16%(全体1%)と高かった。詳しく調査できた291人のうち、12%に当たる三十六人は過去にも飛び込み出産していた。
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入院費は40%が未払い。隣接する公立病院をはしごして、飛び込み出産と未払いを繰り返す例もあるという。
15%は病院に到着する前に路上や車中で出産。妊婦が死亡したケースは8%で、全体の16倍の高率だった。未熟児の割合も、全体の4倍近い33%に上った。
(以上、北海道新聞より引用)
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15%が病院へ到着する前に路上や車中で出産とは驚きです。
このような出産を墜落分娩といいます。
おしっこやうんこがガマンできなくて、トイレに行く前に‘出ちゃった’のとはわけが違います。
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また、妊婦が死亡したケースが8%というのにも驚きました。
12.5人に一人が亡くなるのはかなりの高率です。
以前から書いていますが、妊娠・出産は‘簡単’なものではありません。
昔から、安産の神様がいるのは、それだけ安産でない人が多かった理由です。
ですから、安産の神様やお守りがあるのです。
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私は産婦人科が専門ではありませんが、医師の一人として、妊婦健診はしっかり受けていただきたいと思います。
‘デキ婚’は仕方がないとしても、安易に堕胎を繰り返すのは避けるべきです。
性感染症で不妊症になる方もたくさんいらっしゃいます。
女性のクラミジア感染は、自覚症状が乏しく、自分が原因となって知らない間に感染を拡大していることもあります。
少子高齢化社会を迎え、日本はこのままだと滅びます。自分の身体を大切にして、丈夫な赤ちゃんを産んでください。