医療問題

学校でのけがと書類

 私は1980年に医師免許を取得し、
 34年間医師をしています。
 勤務医時代が20年以上ありました。
 病院勤務の医師は過重労働です
 子どもといっしょに晩ご飯は、
 週に1~2回あればいいところでした。
 お医者さんの奥さんは
 一人で子育てをしたと言われます
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 勤務医にとってしんどいのが、
 書類書きです。
 手術記録や診療記録を書くのは、
 医師としての義務であり、
 しっかりと記録を書かなければ、
 自分のためにも、
 患者さんのためにもなりません。
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 面倒なのが、
 損害保険会社に出す書類や、
 後遺障害診断書の類です。
 簡単には書けません
 手術が終わって…
 明かりが消えた外来へ行くと、
 机の上に書類が山積みになっていることが…
 よくありました。
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 こんな書類はなくてもいいのに
 …と思う書類も何種類かありました。
 一番私が嫌いだった書類は、
 学校安全会
 医療等の状況 
 …という書類です。
 学校でけがをした子どもさんの保護者が、
 保健室の先生からもらってくる書類です。
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 この医療等の状況
 …という書類が、
 昭和35年5月20日
 日医発第31号
 日本医師会長から都道府県医師会長あて
 …という一通の文書のため、
 無料で交付している医療機関が大部分です
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 今から半世紀も前の協定です。
 還暦の私ですら小学校入学前です
 その時の合意をもとに、
 先生、(ただで)書いてください
 …と言われます。
 法律的な根拠はないので、
 文書料を請求するのは医療機関の自由です。
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 学校安全会という会は、
 今は独立行政法人日本スポーツ振興センターになりました。
 その独立行政法人で、
 学校からお金を集めて、
 けがをした子どもさんに給付しています。
 昭和35年と今では、
 医療システムも大きく変わりました。
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 医療機関では、
 診療内容を詳しく記載した明細書をお渡ししています。
 けがの治療にかかった点数(料金)もわかります。
 はっきり言って、
 医療等の状況
 …が無くても、
 給付金額の算定はできます。
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 独立行政法人日本スポーツ振興センターも変わって、
 オンラインで請求ができるようです。
 けがをした子どもさんの親が、
 一日でも早くお金をもらえるように、
 手間ひま時間がかかる無駄な書類は、
 今すぐに廃止して欲しいです。
 関係省庁はすぐに対応してください

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