医学講座

傷に貼るテープ

 昔、形成外科研修医だった頃、
 最初に先輩から教わったことです。
 抜糸をしたら、
 傷にテープを貼る。
 最低3ヵ月は貼る。
 傷をきれいに治すため
 患者さんにもそう説明していました。
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 3M(すりーえむ)という会社の、
 マイクロポアというテープを使います
 何種類かありますが、
 茶色の、
 ロールになったテープが一般的です。
 保険外なので、
 大きな病院では、
 売店で販売してもらっています。
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 美容外科では、
 この茶色のテープを貼ることが少ないです。
 理由は、
 目立つから、
 テープを貼る必要が少ない部位を切るからです。
 形成外科でも、
 眼瞼下垂症手術の後には、
 この茶色のテープはめったに貼りません。
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 眼瞼下垂症で切開する部位は、
 二重のラインに沿って切るので、
 傷が目立ちにくいからです。
 美容外科で切開をする部位、
 隆鼻術なら鼻の中を切ります。
 鼻の中にテープは貼れませんし、
 貼る必要もないです。
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 美容外科でも、
 見える場所に傷ができることがあります。
 目頭切開や、
 目頭切開修正術の後です
 特に修正手術後には、
 一時的に傷が目立つことがあります。
 その部位に、
 傷が安定するまでテープを貼ります。
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 テープが目立つからといって、
 先生の指示に反して
 テープをはがさないでください
 せっかく修正手術をしたのに、
 また傷が目立つことがあります。
 線状痕の手術
 …という2008年8月17日の院長日記に書いてあります。
 時代が変わっても、
 キズを治すのが難しいのは変わりません。
 一つひとつ、
 手作業で丁寧にキズを治すのが
 形成外科医の仕事です。
 地味で根気がいる仕事です。

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