医学講座
傷に貼るテープ
昔、形成外科研修医だった頃、
最初に先輩から教わったことです。
抜糸をしたら、
傷にテープを貼る。
最低３ヵ月は貼る。
傷をきれいに治すため。
患者さんにもそう説明していました。
■ ■
３Ｍ（すりーえむ）という会社の、
マイクロポアというテープを使います。
何種類かありますが、
茶色の、
ロールになったテープが一般的です。
保険外なので、
大きな病院では、
売店で販売してもらっています。
■ ■
美容外科では、
この茶色のテープを貼ることが少ないです。
理由は、
目立つから、
テープを貼る必要が少ない部位を切るからです。
形成外科でも、
眼瞼下垂症手術の後には、
この茶色のテープはめったに貼りません。
■ ■
眼瞼下垂症で切開する部位は、
二重のラインに沿って切るので、
傷が目立ちにくいからです。
美容外科で切開をする部位、
隆鼻術なら鼻の中を切ります。
鼻の中にテープは貼れませんし、
貼る必要もないです。
■ ■
美容外科でも、
見える場所に傷ができることがあります。
目頭切開や、
目頭切開修正術の後です。
特に修正手術後には、
一時的に傷が目立つことがあります。
その部位に、
傷が安定するまでテープを貼ります。
■ ■
テープが目立つからといって、
先生の指示に反して
テープをはがさないでください
せっかく修正手術をしたのに、
また傷が目立つことがあります。
線状痕の手術
…という2008年8月17日の院長日記に書いてあります。
時代が変わっても、
キズを治すのが難しいのは変わりません。
一つひとつ、
手作業で丁寧にキズを治すのが
形成外科医の仕事です。
地味で根気がいる仕事です。
“傷に貼るテープ”へのコメント
コメントをどうぞ
私も子宮全摘した時抜糸後 売店から傷がきれいになるテープを買って６ヶ月は貼っているよう言われ確か、５個買い 傷に貼っていましたが、痒くて、我慢できず１ヶ月も貼りませんでした。残ったテープはどこかにあると思います。今は痒くないテープもできたと思いますが、綺麗に傷を治したいのに痒さには勝てませんでした。
【札幌美容形成外科＠本間賢一です】
コメントをいただきありがとうございます。テープが痒い場合はキズパワーパッドのようなちょっと高価なテープを貼ることもあります。お腹や背中でしたらガードルなどで圧迫するだけでも違います。
皮膚・形成外科でデキモノが出来た時、焼いて貰い、その茶色のテープを貼りました。
目の下です。
会社の人に形成外科を受診したと言っただけで驚かれました。
形成外科だけでも、反応が違いますね。
びっくりです。
うちの息子が、夏の手術で首に１０センチ以上の大きな傷が出来ましたが、このマイクロポアテープを使っています。
病院内のコンビニで買いました。
最初は、段差のあった傷もかなり平らになってきました。
ただ、最初のうちは剥がすのが大変で傷が開くんじゃないかと心配になるほどでした。
今は、傷も落ち着いてきているので剥がすのもだいぶ楽になったようです。
昔からあったんですね。
外科の先生には、もし、ケロイド体質だった場合など、傷が目立つ場合、形成で修正もできますと言われました。
形成外科の縫い方は特殊だとも言われました。
本間先生のおっしゃる通り、根気のいる仕事ですね。
出来れば、修正もせずに傷がきれいになることを祈るばかりです。
【札幌美容形成外科＠本間賢一です】
コメントをいただきありがとうございます。テープを剥がすのはお風呂に入った時に石鹸でそっと洗って濡らして剥がしてください。できればテープの下も優しく洗ってあげてください。身体をふいて汗が落ち着いたら、またそっと貼りなおしてください。剥がす時は傷口に向かって半分ずつ剥がし、最後に傷の部分を押さえながらそっと剥がすのがコツです。