医学講座
きずはぬらしても大丈夫です
古くから、
手術をした傷は消毒をする。
傷をぬらしてはいけない。
ばい菌が入って化膿する。
…という考えがあります。
滅菌や消毒という概念がなかった時代、
手術後は感染との戦いでした。
■ ■
昔は、
手術用手袋というのがなく、
手をブラシでごしごし洗って、
手術をしたそうです。
清潔と不潔
消毒と滅菌
…という2007年の院長日記に書いてあるので、
興味がある方は読んでください。
■ ■
医学が進歩した現在でも、
感染は外科医の脅威です。
レーシック手術でトラブルを起こした、
銀座眼科(現在は閉院)も、
滅菌が不十分だったため、
感染を起こしたのが原因でした。
■ ■
それじゃぁ~
やっぱ、
先生、きずわぁ~
ぬらしたらだめなの?
…という疑問があると思います。
形成外科の先生が、
ていねいに縫合したきずは、
シャワーで洗ってぬらした程度では、
感染することはまずありません。
■ ■
きずがくっつくには時間がかかります。
手術直後は腫れが出ます。
赤くなって痛いです。
炎症(えんしょう)のためです。
でも…
痛い時期が過ぎて、
炎症もなければ、
きずをぬらして洗っても大丈夫です。
■ ■
手術創からは血が出ることもありますし、
滲出液(しんしゅつえき)が出ることもあります。
きずを治すための反応です。
血液や滲出液を洗い流して、
きれいにしてあげると、
きずはきれいに治ります。
私は軟膏を塗っていただいています。
■ ■
やってはいけないことは、
きずをひっぱることです。
くっついていないきずに、
力をかけて引っ張ると、
せっかくくっついた部位が離れてしまいます。
洗う時はそっとやさしくです。
■ ■
手術後のメイク
手術後の付けまつ毛
…という2011年5月の院長日記を読んでください。
抜糸しても、
キズは完全にくっついてません。
完全にくっつくには…
3~6ヵ月もかかります。
その間に無理な力を加えると…
キズが目立ちます。
濡らしても構いませんが、
そっと優しく洗ってください。
“きずはぬらしても大丈夫です”へのコメント
コメントをどうぞ
昨日は、テープについてご指導いただきありがとうございました。
傷が完全にくっつくまでにそんなにかかるとは思いませんでした。
確かに、外科の先生も最低3か月はテープを貼っておいてくださいとおっしゃっていましたが。。。
息子の傷を見るとへこんだ赤い線が切ったところで、その周りは少し盛り上がっています。
今はまだ太い線ですが、時間が経つと薄く細くなるものなのでしょうか?
【札幌美容形成外科@本間賢一です】
太いのは瘢痕の幅なので細くはなりません。赤味は次第に薄くなって最後には白くなります。もし赤いのが続くようでしたら形成外科で相談なさってください。
脊髄腫瘍の時は抜糸がありましたが、首と側わんの手術は抜糸がなかったのですが、どちらもほとんどめだちませんが糸で縫ってないと寝返りだけでも傷がパカッと割れないか心配でしたが、主治医からは聞いてみなかったのですが、何かあるのでしょうか?
【札幌美容形成外科@本間賢一です】
コメントをいただきありがとうございます。抜糸しない部位は皮下縫合という真皮を縫合する糸でしっかり縫ってあるためです。パカッと開くことはありません。整形外科ではコルセットのような装具でしっかり身体全体を固定するので傷に緊張がかかりにくく傷も目立たないと思います。もちろん先生が心を込めて丁寧に縫っているためです。
傷は水にぬれたら、ばい菌という概念がありました。
が、そうでしたか。
うちのわんこが去勢した際、エリザベスハットをつけてなく、自ら傷を止めたホチキスを食いちぎって、驚きました。
すぐ、動物病院に連れて行ったら、これは仕事にしてやったなと獣医さんに言われ苦笑しました。
縫ってもらい、エリザベスハット使用。
わんこは痛みに強いって本当ですね。
そらくんはどうしてますか?
今年は先生のお誕生日に登場しなかったので、気になってます。
【札幌美容形成外科@本間賢一です】
コメントをいただきありがとうございます。そら君は元気です。無駄吠えを訓練するためにいろいろ試していますが、ピンポンと宅急便のお兄さんに吠えて困っています。