医学講座

会陰切開のきず③

 ネットで会陰切開を検索すると、
 最初から切開をして縫うのと
 裂けてしまったところを縫うのは、
 同じなのか
 違うのか
 …というQ&Aがあります。
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 裂けてしまってからぬっても、
 傷を縫えば治りは同じです。

 …という回答をみかけました。
 この回答は間違いです
 医療関係者が回答していました。
 形成外科医の立場から言わせてもらうと、
 裂けたところを縫うのと、
 切ったところを縫うのは大違いです。

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 服をひっかけて、
 やぶってしまった時を考えてください。 
 どんなに高価な服でも、
 釘などに引っかけて破った時は、
 形がかぎざきになっていて、
 断端からは繊維が出ています。
 はさみで切って、
 ズボンの丈をつめるのとは大違いです。
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 会陰部の皮膚も同じです。
 分娩損傷で裂けると、
 裂ける方向を決められません。
 最悪なのは、
 肛門方向へ裂けて、
 括約筋という筋肉も裂けてしまう時です。
 修復するのは大変です。
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 傷の治りかたも違います。
 一般的に、
 刃物で切った傷を縫って治す治り方を、
 一次治癒
 primary wound healing
 …といいます。
 一番きれいな治り方です。
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 会陰切開は、
 あかちゃんが娩出される時に、
 産科医が清潔なはさみで切ります。
 あかちゃんに傷をつけないように、
 上手に切ります。
 切る方向は、
 右利きの先生が多いので、
 産婦さんの左側になることが多いようです。
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 一瞬のことです。
 これが原因で大きな障害が残ることはありません。
 ちゃんと縫合してもらえば、
 傷も目立たなくなります。
 たとえ傷がちょっと開いても、
 うちの奥さんのように治ります
 会陰切開は人類が生んだ分娩の知恵です。
 安心して赤ちゃんを産んでください。

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