医学講座
第36回日本熱傷学会(横浜)③
再生医療というと…
最先端のバイオ技術で…
どんな重症のやけどでも…
元のきれいな肌に治してくれる…?
そんなイメージを持っていませんか?
確かに…
夢であり、
理想です。
■ ■
私は…
いつも…
形成外科医は…
きずを治すプロです。
なんて…
えらそうなことを言っています。
■ ■
残念なことですが、
現在の…
最先端の医療技術を使っても…
重症のⅢ度熱傷は…
きれいに治せません。
下の写真にあるように、
培養表皮で救命した後には、
赤い瘢痕(はんこん)のような…
皮膚しかできません。
■ ■
ちょっとぶつけただけで…
簡単に傷ができます。
強いかゆみが出ることもあります。
ちょっとかいただけで…
傷になってしまいます。
救命された後で…
『どうして助けてくれたの…?』
と言われることもあります。
■ ■
本人も…
家族も…
苦しむことがたくさんあります。
重症熱傷には…
自殺企図による受傷もあります。
もともと死にたかった人が…
救命した後の身体で…
もっと死にたくなることもあります。
■ ■
自殺企図の方には、
生活保護を受けている人もいます。
一人の重傷熱傷の患者さんを救命して…
社会復帰させるのに…
数千万円の公費が使われることもあります。
そうして助けても…
また…ということもあります。
救急医も…
形成外科医も…
医療スタッフも…
悩みながら治療することがあります。

http://www.burnsurvivor.comより引用