昔の記憶
はじめての論文投稿
私がはじめて書いた論文です。
本間賢一,小野一郎,吉田哲憲,真部正志,浅見謙二,石川隆夫,
糖尿病を基礎疾患にもった老人熱傷の1例,
熱傷,10,237-243,1985
↑こんなふうに書きます。
最初に著者の名前を並べます。
一番最初が筆頭執筆者(ひっとうしっぴつしゃ)です。
次に治療にかかわった人を、
順番に並べて書きます。
■ ■
小野一郎先生は当時の函館中央病院形成外科医長。
吉田哲憲先生は、
北海道大学形成外科講師として…
函館中央病院へ応援に来ていただいていました。
真部正志先生は、
小野一郎先生の前任の医長。
浅見謙二先生は私の前任。
石川隆夫先生は小野先生の後任医長。
■ ■
当時、函館中央病院形成外科で、
糖尿病のおばあちゃんの治療にかかわった先生たちです。
次の…
糖尿病を基礎疾患にもった老人熱傷の1例
が論文の題名です。
熱傷は、
日本熱傷学会の機関誌です。
大学図書館などで読めます。
■ ■
熱傷,10,237-243,1985
熱傷の横の数字は、
10巻、237ページから243ページまで、
1985年に発行されたことを示します。
1984年に学会発表したことを…
一年間かかって論文にしました。
論文としての価値は低いですし、
他に引用されることもありません。
■ ■
でも…
糖尿病が苦手だった私が、
糖尿病の本を何冊も買って…
隅からすみまで読んで勉強しました。
わからないところは、
糖尿病の大家である、
中川昌一先生のところまで伺って質問しました。
この論文を書いたことで、
私の糖尿病苦手意識は消えました。
■ ■
論文を書いても…
一円ももうからないし…
寝る時間は少なくなります。
本を買うお金もかかるし、
遊ぶ時間もなくなります。
医学論文の投稿は原則無料ですが、
別刷(べつずり)という、
自分の論文だけを印刷してもらうのに、
お金がかかることもあります。
論文執筆の一番のメリットは、
自分の勉強になることです。