医学講座
妊娠線の防ぎ方
私は職業柄…
女性のお腹を見ることがあります。
とてもお気の毒な…
妊娠線が…
無数にできている女性が…
たまにいらっしゃいます。
消すことはできません。
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うちの奥さんは、
子供を2人産んでいますが、
妊娠線はありません。
形成外科の先生の奥さんだから…
特別なクリームでも塗った…?
…と思われるかも知れません。
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私は形成外科医ですが、
奥さんが妊娠中は、
何も見て(診て)いませんでした。
だんだん大きくなるお腹を見て…
女の人はすごい
…と思っていたくらいです。
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医学的に妊娠線は、
真皮の断裂によってできた、
皮膚の裂け目です。
袋にぱんぱんに物を入れて、
袋が裂けたのと同じです。
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肉割れ線と言って…
急激に体重が増えて、
太ももの内側などにできるのも同じです。
ステロイドホルモンの内服で、
身体にできる線も同じです。
専門用語で皮下線条(ひかせんじょう)と言います。
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西瓜(すいか)のように大きくなった
妊婦さんのお腹の皮膚が、
重みに耐えられなくてできるのです。
高価なクリームよりも、
破れそうになった袋に、
もう一枚別の袋をかぶせるのが良いです。
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つまり…
大きくなったお腹の皮膚に負荷がかからないように、
外側から保護してあげるのです。
家内が妊娠した後で、
家内の両親が…
兵庫県宝塚市にある、
大本山中山寺へ、
安産の祈願に連れて行ってくれました。
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そこで、
御腹帯という…
晒(さらし):白い布でできた、
腹帯をいただきました。
大きくなってきたお腹に…
腹帯を巻いていました。
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この晒(さらし)の腹帯は、
あまり伸縮しません。
そのために、
大きくなったお腹の皮膚を保護して、
皮膚が破れるのを防いだと考えています。
高価なクリームより、
白いさらしの腹帯で
妊娠線を防いでください。