医学講座

乾燥肌にヒルドイドローション

 2007年2月12日の院長日記、
 ヒルドイドローションが、
 いまだにたくさんヒットしています。
 冬になると手がカサカサになって、ひどいときはひび割れたり、血が出たりする方がいらっしゃいます。
 皮膚の保湿機能が低下し乾燥しているためです。この「皮脂欠乏症」という病気に効果があるのがヒルドイドローションです。
 メーカーのマルホ㈱のHPによると、この薬の主成分である ヘパリン類似物質は、1949 年(昭和24 年)にドイツで発売されています。このお薬は高い保湿能を有し、血行促進・皮膚保湿外用剤として発売されました。日本国内ではマルホ株式会社が1958年8月(昭和33年8月)に輸入承認を取得して発売されました。2001年1月(平成13年1月)に、さらっとした使用感のヒルドイドローションが承認されました。
 私が医者になった昭和55年にはヒルドイド軟膏という軟膏しかありませんでしたが、その後、ローションができました。医者になりたての頃に、ヒルドイドをヒルロイドと処方箋に間違って書いて、先輩から叱られた思い出がある薬です。
 子供さんのアトピー性皮膚炎のお薬として処方された経験がある方も多いと思います。
 このヒルドイドローション、実は乳液の代わりに顔に塗るとお肌がツルツル・スベスベになります。私の正直な感想を言うと、3万円の高級乳液より効果があると思います。
 化粧品はどんなに高価な製品でも、薬事法という法律で入れてもいい成分が決められています。ですから、厳密に言うと外国製の高級化粧品でも、海外の免税品店で売っている商品と日本国内の商品は内容が異なる場合があります。
 がっかりするかも知れませんが、化粧品は夢を売る商品です。デパートの一階の一番立派な売り場でキレイなお姉さんが売っているので高いのです。中身の化学成分を価格に換算すると1/100の価値しかないと言われる製品もあります。
 逆に病院で処方する医薬品は医師免許や薬剤師免許がないと売れない製品もあります。化粧品とは入れてもよい成分が各段に違います。
 まれにお肌に合わない方もいらっしゃいますので、ご心配でしたら耳の後ろなど目立たない場所で一度試してからお顔につけてみてください。
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 ネットで検索すると…
 おばあちゃんの家に行ったら…
 病院から処方されたピンクのキャップの薬が…
 30本もあった…
 …という質問がありました。
 余っているなら、
 まず手などのかさかさにつけてみてください。
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 子どもさんのアトピー性皮膚炎の薬として、
 処方された経験もあると思います。
 保湿には…
 とても効果のあるお薬です。
 べとべと感も少ないです。
 血流を改善する効果もあります。
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 私たち形成外科医は、
 このお薬を…
 傷のケアーにも使います。
 肥厚性瘢痕・ケロイドの治療と予防という効果が承認されています。
 赤くなった傷に、
 少しずつ塗ると…
 次第に赤味が薄くなり…
 目立たなくなります。
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 ヒルドイドとキスマークという
 2009年9月1日の院長日記に書きましたが…
 キスマークは、
 皮下の出血斑(しゅっけつはん)です。
 ヒルドイドのヘパリン類似物質が、
 この出血斑に効きます。
 塗ってすぐに消えるのではありませんが…
 早く消えます。
 手術後の青たんにも効きます。
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 ヒルドイドローションは
 保険適応の医薬品なので、
 皮膚科や形成外科の他、
 内科や小児科などで…
 他のお薬と一緒にいただくことも可能です。
 乾燥肌の方は一度試してみてください。

ヒルドイドローション

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