医学講座
リフラップ軟膏
毎年冬になると…
風邪薬の宣伝が流れます。
塩化リゾチームという成分が入った…
風邪薬があります。
卵白アレルギーの方には使えませんが…
この塩化リゾチーム、
よく効くお薬です。
耳鼻科の先生もよく処方されます。
■ ■
私が北大形成外科で研修医をしていた頃…
この塩化リゾチームを軟膏にした薬の、
臨床試験をしていました。
当時は…
KH101(けいえっちいちまるいち)という名前でした。
この白い軟膏が、
傷によく効きました。
■ ■
卵白アレルギーの方には使えませんが、
傷の治りが悪く、
じくじくした部位につけると…
よく治りました。
当時は…
手術後の治りが悪い傷や、
やけどで治りが遅い部位に使いました。
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この軟膏を塗ると…
ガーゼに黄色い膿のような汁がつきます。
一見、悪くなった?と誤解することがあります。
臨床試験は、
私の恩師である、
大浦武彦先生と
吉田哲憲先生が担当でした。
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傷を治す軟膏は、
形成外科が専門です。
いろいろな軟膏を使い分けて…
できるだけ早く治るようにします。
卵アレルギーがあると使えませんが、
リフラップ軟膏は30年経っても良い薬です。
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傷の状態によっては、
リフラップ軟膏以外の薬を使うこともあります。
ご自分で判断せずに、
専門の形成外科医に診ていただき、
適切な軟膏を選んで使うことです。
数種類をいっしょに使うこともあります。
国家試験には出ませんが、
臨床の現場では役に立ちます。
リフラップ軟膏