医学講座
わき汗ボトックスへの企業努力
札幌美容形成外科は、
平成25年度決算が赤字になりました。
ボトックスの購入代金が高く、
薬問屋さんへの支払いが増えたからです。
薬価が下がって、
患者さんの負担は減りましたが、
注射手技料は180円のままです。
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私が一人30分くらいかけて、
両脇に注射して、
技術料が180円です。
180円というのは…
看護師さんが外来で…
『ちょっとちくっとしますょ…』
『はい、終わり』
…という簡単な皮下注射の料金です。
医師が…
30分もかかってするわきボトックスが…
180円では完全に赤字です。
■ ■
注射料の他に…
初診料なども請求できますが…
それでも赤字です。
どう考えても国が決めることは変です(怒!)。
怒っていても赤字は減らないので、
さまざまな企業努力をしています。
医療の質は低下させないで、
少しでも赤字にならないように、
企業努力を重ねています。
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そのひとつが注射針です。
私はけちな男ですが…
使うものにはこだわりがあります。
通常の皮下注射に使う27G(にじゅうななげーじ)という針だと、
ワキ汗ボトックスには太すぎます。
自由診療で8万円で注射していた時と同じ針を使っています。
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脇汗注射に使う針は、
日本国内で売られている針ではありません。
極細の輸入品です。
札幌美容形成外科ではドイツ製の針を使っています。
業者さんを通して買うと高価です。
針一本が180円以上になります。
最低でも2本使っています。
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ドイツ製の針を海外から直接購入しています。
注射針は薬事法で医療機器に分類されます。
輸入には、
医薬監証明という許可が必要です。
厚生労働省、関東信越厚生局に書類を送って、、、
許可をもらわないと通関できません。
私はこの書類を自分で作っています。
自分でさいたま市まで送っています。
そうすると輸入消費税を払うだけです。
円安で輸入は厳しいですが、、、
安全快適な医療のため、
企業努力を重ねています。