医学講座

繋がる命、愛情注いでね 

 平成28年2月26日、朝日新聞朝刊の記事です。
 この文を読んで、
 涙が出ました。
 私は自分が亡くなったら、
 組織はすべて提供します
 皮膚も提供します。
 自分で決めたことです。
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 子どもさんが亡くなって、
 臓器提供を決められたご両親が、
 どんなお気持ちだったのか?
 ほんとうに辛いお気持ちだと思います。
 こころからご冥福をお祈りしています。
 医学は無力です。
 将来、インフルエンザ脳症で亡くなる子どもさんがなくなるように、
 医学が進歩することを願います。
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 繋がる命、愛情注いでね 臓器提供するAちゃんへ お父さんお母さんより
 東海地方の病院で脳死と判定され、臓器提供をした6歳未満の女児の家族が2月25日、日本臓器移植ネットワークを通じて、思いをつづった手紙を公表した。女児はインフルエンザ脳症で入院し、提供は家族や親族13人の総意で決めたという。全文は以下のとおり。

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 Aちゃんが体調を崩してからお父さんとお母さん辛(つら)くてね。
 毎日毎日神様にお願いしました。目に見える物全てに、お山に行ってお願いして、川が見えればお願いして、海に向かっても……いろいろ神社なんかも夜中に行ってお願いしました。最後には落ちている石ころさんたちにもお願いしたんだよ。
 でもね、どうしてもAちゃんとお父さんを入れ替えることはできないんだって。もう目を覚ますことはできないんだって。もう長くは一緒にいられないんだって。
 お父さんとお母さんは辛くて辛くて、寂しくて寂しくて泣いてばかりいたけれど、そんな時に先生からの説明でAちゃんが今のお父さんやお母さんみたいに涙にくれて生きる希望を失っている人の、臓器提供を受けなければ生きていけない人の希望になれることを知りました。
 どうだろう?Aちゃんはどう思う?いやかな?
 お父さんやお母さんは悩んだ末、Aちゃんの臓器を困っている人に提供することを決めました。もしいやだったらゴメンね。
 お父さんもお母さんも臓器を必要としている人がたくさんいて、その人を見守る人たちがどんなにか辛く苦しい思いをしているか知っています。もしその人たちにAちゃんが役に立てるなら、それは素晴らしいことだと思ったんだよ。
 一人でも人の命を救う。心を救う。ってすごく難しいことでお父さんもできるかわからない。だけど、とても素晴らしく、尊いことなんだよ。
 もしAちゃんが人を救うことができたり、その周りの皆さんの希望になれるとしたら、そんなにも素晴らしいことはないと思ったの。こんなにも誇らしいことはないと思ったの。Aちゃんが生きた証(あかし)じゃないかって思ったの。今のお父さん、お母さんみたいに苦しんでいる人が一人でも笑顔になってくれればどんなに素晴らしいだろうと思ったの。
 そして、その笑顔はお父さんやお母さんの生きる勇気にもなるんだよ。
 いつも周りのみんなを笑顔にしてくれたAちゃんだから、きっとまた世界の笑顔を増やしてくれるよね?
 命は繋(つな)ぐもの。お父さんとお母さんがAちゃんに繋いだようにAちゃんも困っている人に命をつないでくれるかな?
 願わくば、お父さんとお母さんがAちゃんにそうしたように、AちゃんもAちゃんが繋いだその命にありったけの愛を天国から注いでくれると嬉(うれ)しいな。
      お父さんより
     ◇
お母さんを
 もう一度
  抱きしめて
   そして
    笑顔を見せて
      お母さんより

 (以上、朝日新聞より引用)
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 心からご冥福をお祈りしています。

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