医学講座

介護保険を使う_⑨入居率や運営会社にも注意

 平成28年3月21日、朝日新聞朝刊の記事です。
 介護保険を使う_⑨入居率や運営会社にも注意
 大手損害保険会社など、異業種から介護事業への本格参入が相次いでいます。老人ホームの運営会社がかわると、入居者にも影響はあるのでしょうか。
 有料老人ホームは、運営会社の経営が傾いても、事業の引き受け手が現れれば入居者が追い出されることはありません。2009年に解散した介護大手のコムスンのことを覚えている方は多いと思います。不正で厚生労働省の処分を受けて経営危機に陥りましたが、約3ヵ月かけて引き受け手が決まりました。
 今回、川崎市の老人ホームなどで問題が発覚したメッセージ(岡山市)は、「アミーユ」などのブランドで有料老人ホームを全国的に展開し、ジャスダックに上場していましたが、損保ジャパン日本興亜ホールディングス(HD)の子会社になりました。損保ジャパン日本興亜HDは昨年12月に、居酒屋チェーン大手ワタミの介護事業子会社も買収しており、介護事業のグループ売上高でベネッセHDを抜き、首位のニチイ学館に次ぐ第2位になりました。
 介護保険が始まって16年が経ち、異業種からの参入が相次いでいます。老人ホームをゼロから始めるのは大変です。職員を集めなければならないし、老人ホームを造ってもすぐには満室になりません。その点、すでに運営が軌道に乗っている老人ホームをそのまま買い取れば、参入企業にとっては効率的です。
 横浜市のある老人ホームの場合、私が知っているだけでも、運営会社が4回かわっています。最初は10年ほど前、事業に成功したIT企業が新規事業として始めましたが入居者が集まらず、米国資本に売り渡しました。しかし、1年もたずに撤退し、3社目は経営破綻(はたん)して、これを引き継いだ4社目から昨年12月、大手の手に渡りました。
 このように、運営会社の間で転々とすることは珍しくありません。有料老人ホームは単なる賃貸物件ではなく、入居者が使う介護保険のサービスでも収益が上がります。入居者あっての事業なので、入居者がないがしろにされることは基本的にありません。
 ただ、心配なのは入居率が低い施設です。長野県で2014年に有料老人ホームを運営する会社が民事再生法の適用を申請し、経営破綻しました。入居者が少ない状態が続き、立ちゆかなくなったということです。入居率が低い有料老人ホームは次の引き受け手が現れない結果になることがあります。そういう経営が苦しい会社は、入居時に預けた一時金もすべては戻らないおそれもあります。
 最近は、多額の投資をして建物を造っても、介護職員を集めることができずに、オープンを延期したり、オープンしても一部だったりする施設もあります。そうなると、とたんに経営は厳しくなります。老人ホームを選ぶ時には、計画通りに入居者を集めることができているか、職員が足りているかにも注意する必要があるのです。
 また、最近増えているサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)でも、昨年秋、三重県で運営会社が突然廃業し、入居者が転居する事態になりました。2011年に制度ができたサ高住は建設に補助金が出るなどの優遇があって急増していますが、入居者確保が追いついていない面があります。入居状況や運営会社の経営状態は確認が必要です。(全10回)
 (「介護情報館」館長 中村寿美子)
20160321

(以上、朝日新聞より引用)

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 介護保険を使うシリーズも9回目です。
 いろいろと勉強させてもらいました。
 運営会社に注意はまったく同感です。
 美容外科業界も同じです。
 高額のレーザー脱毛を契約したのに、
 突然閉院された例もあります
 レーシック専門の眼科がいつの間にか閉院しました。
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 私は自分でクリニックをはじめてから、
 ちょっと変わった見方をするようになりました。
 今はネットで簡単に求人情報が検索できます。
 ハローワークの情報もネットで検索できます。
 サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)の求人もわかります。
 働く人の時給を見ます。
 時給800円では、
 正直なところなかなか人が集まりません。
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 いい人に、
 長く働いていただくのは大変です。
 私たちのように、
 医療サービス
 介護サービス

 …を提供する事業者は、
 人が命
 従業員が命です。
 人生の最期を迎える施設で、
 運営する会社が民事再生法の適用を申請し経営破綻は、
 ちょっと悲しすぎます。
 冥土の土産にもなりません。
 気をつけたいと思います。

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