医学講座
医者を出身大学で選ばない
昨日の院長日記、
医師国家試験合格発表2016の続きです。
毎年3月になると、
予備校の広告が目に付きます。
入試で
【最難関】
と言われているのは、
東大(理Ⅲ)
京大(医)
慶応(医)です。
入試の難易度と医師国家試験合格率は相関しません。
国家試験合格率といいお医者さんかどうかも関係ありません。
■ ■
東大出身の先生が悪いというのではありません。
私が卒業した札幌医大は、
北海道が設立した北海道女子医専が前身です。
今も公立大学法人です。
全国の国公立大学医学部の中では、
もっとも偏差値が低い大学でした。
私が入学した1974年は、
医師国家試験合格率が全国最低の60%台でした。
■ ■
一般の人が知っている大学のランクは、
予備校の広告に出てくる有名大学です。
北海道だと、
北大(医)が最難関です。
でもちょっと考えてください。
最難関の大学を出たら、
そのお医者さんが、
♡名医で♡
♡腕が良くて♡
♡優しい♡
…とは限りません。
■ ■
中学や高校の同級生を思い出してください。
有名大学に行った○○君
頭は良かったけどぉ~
変わってたなぁ~
クラスの行事には参加しなかったなぁ~
掃除当番もさぼってたなぁ~
…というような医者もいます。
偏差値の低い私大医学部だから、
悪いお医者さんではありません。
■ ■
私は形成外科医を35年以上しています。
毎年学会に出席して勉強しています。
日本形成外科学会に出席して思うことは、
入試の難易度と、
いい手術をしている大学かどうか?は、
まったく関係ないということです。
特に広告に大きく派手に出身大学を書いている先生は、
【要注意】です。
■ ■
お医者さんを選ぶのは難しいです。
理想の彼を選ぶのと同じです。
なかなか理想の彼も見つからないし、
理想のお医者さんも見つかりません。
私のような偏屈でがんこな医者でも、
頼っていらしてくださるのはありがたいことです。
還暦を過ぎてもがんばっている理由です。
お医者さんを出身大学で選ばないでください。
18歳の時に勉強ができただけです。