医学講座
レーザー脱毛2017
昨日の院長日記、
一度にたくさんの手術に、
なっちゅんさんからコメントをいただきました。
最近知ったのですが
最新の脱毛はジェルを使用する機械なのですね。
昔と随分変わりましたね。
私の時はレーザーでしたが冷却が出なく
看護師さんが冷やしてくれました。
■ ■
脱毛の歴史2015
2015年11月9日の院長日記です。
私は個人的に、
美容外科で、
1990年代最大の発明は、
レーザー脱毛機器だと思います。
日本にはじめてレーザー脱毛機が来たのは、
私がJA帯広厚生病院に勤務していた時でした。
1997年2月の日本医学脱毛学会の会場でした。
松本敏明先生が会長でした。
■ ■
私が美容外科医になる前1997年のことです。
帯広厚生病院に勤務していた時に、
手術室の看護婦さんが…
帯広市内の有名エステ(全国チェーン)に行きました。
ワキの脱毛(針脱毛)を50万円で契約しました。
当時はワキ脱毛=50万円が相場でした。
私はそれまで、
女性がそんな大金を、
毛の治療にかけるとは知りませんでした。
■ ■
当時の脱毛法は、
電気で毛根を焼く施術でした。
電気メスのような機器を使い、
専用の脱毛針を毛穴に刺して、
通電して毛根を焼く治療です。
厚生労働省は、
医療機関以外での施術を禁止しています。
■ ■
看護婦さんは、
こんな治療を、
エステで無資格の人がしても、
いいのかなぁ~と思いながら、
施術を受けたそうです。
いざ、脱毛がはじまると…
針を刺して電気を通すと…
飛び上がるほど痛い!
痛いなんてモンじゃない!
とにかく苦痛だったそうです。
■ ■
私はその看護婦さんから相談を受けました。
当時、医療機関(美容外科)では、
局所麻酔をしてから、
針脱毛をするのが当たり前でした。
エステでは麻酔ができません。
私は、
もう少しで
レーザー脱毛が主流となること。
エステよりも
医療機関で脱毛するようにすすめました。
■ ■
1997年2月2日(平成9年2月2日)に、
東京都渋谷区千駄ヶ谷の津田ホールで
札幌スキンケアクリニックの松本敏明先生が
日本医学脱毛学会を開催されました。
この時に、
米国製のレーザー脱毛機をはじめて見ました。
私の左腕と、
左すねに照射しました。
今でも毛が生えていません。
■ ■
当時のレーザー脱毛器はとても高価でした。
一ドル130円以上だったと記憶しています。
日本に輸入すると、
一台3,000万円以上しました。
札幌で一番早く導入されたのが、
皮膚科の山家英子先生でした。
私が副院長として勤務した、
札幌中央形成外科の武藤靖夫先生が、
札幌で2番目でした。
■ ■
この日本ではじめてのレーザー脱毛機は、
照射する時にジェルを使いました。
理由は痛みを減らすためです。
最初は、
冷却すると脱毛効果が減るという意見もありました。
その後に改良され、
キャンデラ社が、
冷却ガスを噴射するシステムを開発しました。
DCDダイナミック・クーリング・デバイス
…と呼ばれています。
私はこのDCDが一番痛くないと思います。
■ ■
今でこそ、
レーザー脱毛があたりまえですが、
20年前は、形成外科の偉い先生から…
レーザーで毛が抜けるわけがない!
絶対にまた生えると言われました。
その後、
レーザー脱毛機もたくさん開発されました。
札幌美容形成外科で使っているのは、
冷却ガスが出るタイプのGentle Lase(キャンデラ社製)
という機種です。
今でも日本で一番多く使われれている機種です。
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レーザー脱毛は驚くほど普及しました。
同じ機械を使っても、
照射方法によって効果が微妙に違います。
エステでも、
光脱毛やレーザー脱毛をしているところがあります。
厚生労働省は、
エステで毛乳頭を破壊する治療を禁止しています。
脱毛治療は、
信頼できる医療機関で受けてください。