二重・眼瞼下垂
切開したのに戻った(泣)
札幌美容形成外科で一番多い手術は、
眼瞼下垂症手術です。
【切る手術】です。
【切る手術】をしたのに、
【戻ることがあります】
技術の問題ではありません。
患者さん側の問題であることが多いです。
■ ■
何度も説明しています。
眼瞼下垂症は、
まぶたを上げるモーターの役割の眼瞼挙筋がんけんきょきん、
モーターの動力を伝える、
挙筋腱膜きょきんけんまく
瞼板けんばん
この構造上の問題です。
■ ■
二重まぶたの仕組み
2010年5月2日の院長日記です。
目の構造は、
下の図のようになっています。
下の図は、
一重(ひとえ)の人のまぶたです。
睫毛(まつげ)の根元に、
瞼板けんばんという厚い組織があります。
この瞼板があるので、
まぶたの縁(ふち)が…
ふにゃふにゃにならず…
しっかりと目を瞑(つぶ)ることができます。
■ ■
まぶたは、
舞台にある、
幕まくのような構造です。
幕まくを上に上げるモーターが、
眼瞼挙筋がんけんきょきんという筋肉。
幕まくの一番下についている、
縁(ふち)のしっかりした構造が、
瞼板けんばんという板状の組織です。
■ ■
緞帳どんちょうのように厚い幕は、
巻き上げ装置で上げても…
シワやひだはできません。
薄いレースのような幕は、
巻き上げると…
キレイなひだひだができます。
瞼を上に上げると、
瞼の構造が薄い人は、
瞼板の上にくぼみができます。
このくぼみが二重のラインです。
■ ■
二重切開の手術は、
皮膚と瞼板けんばんの間に、
線維性の瘢痕組織を作って、
食い込みができるようにする手術です。
眼瞼下垂症手術は、
それに加えて、
眼瞼挙筋がんけんきょきんの働きを調節して、
幕を上まで引き上げるようにします。
そうすると黒目が大きく出るようになります。
■ ■
眼瞼下垂症手術は再発することがあります。
二重切開の手術をしても、
【ラインが消える】ことがあります。
眼瞼下垂症手術で一番再発が多いのは、
アトピー性皮膚炎の患者さんです。
目をこするからです。
知らずしらずのうちにこすることがあります。
■ ■
お化粧で目をこすることもよくありません。
私自身の経験から言うと、
手術から半年は、
目をこすりませんでした。
そっと触るだけでした。
形成外科の手術は繊細です。
細い糸で丁寧に固定しています。
■ ■
瞼板けんばんが変形するほどに、
強く組織を固定することはできません。
髪の毛程度の細い糸で、
丁寧に固定します。
目がかゆくてこする時を考えてください。
指の強い力でこすりませんか?
目の手術は繊細なガラス細工です。
丁寧に扱わないと壊れます。
■ ■
切開手術をしても、
目をこすると二重が消えます。
もともとくっきり二重の人でも、
目をこすっていると眼瞼下垂症になります。
苦労して作った目です。
大切にしていただきたいです。
切開式二重は取れない?
こちらの院長日記も読んでください。