二重・眼瞼下垂
切開したのに戻った(泣)
札幌美容形成外科で一番多い手術は、
眼瞼下垂症手術です。
【切る手術】です。
【切る手術】をしたのに、
【戻ることがあります】
技術の問題ではありません。
患者さん側の問題であることが多いです。
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何度も説明しています。
眼瞼下垂症は、
まぶたを上げるモーターの役割の眼瞼挙筋がんけんきょきん、
モーターの動力を伝える、
挙筋腱膜きょきんけんまく
瞼板けんばん
この構造上の問題です。
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二重まぶたの仕組み
2010年5月2日の院長日記です。
目の構造は、
下の図のようになっています。
下の図は、
一重(ひとえ)の人のまぶたです。
睫毛(まつげ)の根元に、
瞼板けんばんという厚い組織があります。
この瞼板があるので、
まぶたの縁(ふち)が…
ふにゃふにゃにならず…
しっかりと目を瞑(つぶ)ることができます。
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まぶたは、
舞台にある、
幕まくのような構造です。
幕まくを上に上げるモーターが、
眼瞼挙筋がんけんきょきんという筋肉。
幕まくの一番下についている、
縁(ふち)のしっかりした構造が、
瞼板けんばんという板状の組織です。
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緞帳どんちょうのように厚い幕は、
巻き上げ装置で上げても…
シワやひだはできません。
薄いレースのような幕は、
巻き上げると…
キレイなひだひだができます。
瞼を上に上げると、
瞼の構造が薄い人は、
瞼板の上にくぼみができます。
このくぼみが二重のラインです。
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二重切開の手術は、
皮膚と瞼板けんばんの間に、
線維性の瘢痕組織を作って、
食い込みができるようにする手術です。
眼瞼下垂症手術は、
それに加えて、
眼瞼挙筋がんけんきょきんの働きを調節して、
幕を上まで引き上げるようにします。
そうすると黒目が大きく出るようになります。
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眼瞼下垂症手術は再発することがあります。
二重切開の手術をしても、
【ラインが消える】ことがあります。
眼瞼下垂症手術で一番再発が多いのは、
アトピー性皮膚炎の患者さんです。
目をこするからです。
知らずしらずのうちにこすることがあります。
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お化粧で目をこすることもよくありません。
私自身の経験から言うと、
手術から半年は、
目をこすりませんでした。
そっと触るだけでした。
形成外科の手術は繊細です。
細い糸で丁寧に固定しています。
■ ■
瞼板けんばんが変形するほどに、
強く組織を固定することはできません。
髪の毛程度の細い糸で、
丁寧に固定します。
目がかゆくてこする時を考えてください。
指の強い力でこすりませんか?
目の手術は繊細なガラス細工です。
丁寧に扱わないと壊れます。
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切開手術をしても、
目をこすると二重が消えます。
もともとくっきり二重の人でも、
目をこすっていると眼瞼下垂症になります。
苦労して作った目です。
大切にしていただきたいです。
切開式二重は取れない?
こちらの院長日記も読んでください。
“切開したのに戻った(泣)”へのコメント
コメントをどうぞ
緞帳とレースのカーテンで
本日も素人にもわかりやすい説明ですね。
ガラス細工に手術されてるのに
ゴシゴシこすられては
苦労して手術されたのに
本間先生もがっかりしますよね。
患者さんも同様でしょうが。
切開でも術後は
気をつけなければいけませんね。
【札幌美容形成外科@本間賢一です】
コメントをいただきありがとうございます。手術でできた二重のラインはまだ固まっていません。ガラス細工のように繊細なので壊れるのです。
何回もブログにでてきた内容ですが、こすって元にもどる人が多いのでしょうか?私もどちらかというと 畑仕事で上向きの作業が多く ごみが入ることがしばしばです。注意が必要ですね。
【札幌美容形成外科@本間賢一です】
コメントをいただきありがとうございます。二重切開は戻らないという神話でもあるようです。二重切開だろうが、眼瞼下垂症であろうが、二重埋没法であろうが、とにかくこすると戻ります。ミス〇〇だったような美人でもハードコンタクトを長く使ってアレルギーで目をこすると眼瞼下垂症になります。なかなかわかってもらえないのです。
切る手術でも、扱い方の問題で元に戻ってしまうことがあるのですね。
切ったからもう安心というのは、要注意ですね。
手術をしたから終わりではなく、むしろその後の管理が大切なんだと思いました。
【札幌美容形成外科@本間賢一です】
コメントをいただきありがとうございます。二重切開は戻らないという神話があるようです。高いお金を出して手術をしても【二重】が戻ったり消えたりすることがあります。手術後も油断しないでください。
別のページで切開法の永続性について質問した者です。
切開法を受けたからと言って目を擦るのは良くないということはわかりました。そこで、
1.目を擦る→眼瞼下垂になって目の開きが悪くなり二重のラインが現れない(消失する)
2.目を擦る→瞼板や挙筋腱膜と皮膚との結合が取れてしまい、目の開きは問題ないが二重のラインが消失する
この二つのパターンのうちどちらが起こりやすいのかも教えて頂きたいです。
また、天然で二重の方の腱膜と皮膚の結合は切開法を受けた人の結合よりも強力なのですか?天然の方は目を擦っても2.のパターンのように結合が緩んだり取れたりはしないのでしょうか?
それと、自分は切開法を受けて1ヶ月経った辺りから傷口は清潔にしておいた方がいいと考え朝起きた後と寝る前に切開の傷跡を化粧水を染み込ませたコットンで極力優しく拭いているのですが、これもあまり良くないのでしょうか?
【札幌美容形成外科@本間賢一です】
2.目を擦る→瞼板や挙筋腱膜と皮膚との結合が取れる→1.眼瞼下垂になる。というのが多いパターンです。生まれつきしかりとした二重の方は、挙筋腱膜と瞼板の癒着が強固です。その結果としてくっきりとした二重ラインができます。もともと一重の人は挙筋腱膜と瞼板の癒着が弱い人が多く、最初からハンディがあります。コットンで極力優しく拭くのは大丈夫です。物理的な力で挙筋腱膜と瞼板の癒着をはがさないこと。皮膚と挙筋腱膜や瞼板との癒着をはがさないことが大切です。