院長の休日
入国審査の窓口で
平成29年6月29日、北海道新聞朝刊、いずみへの投稿です。
入国審査の窓口で
海外から戻るたび、なぜだろうと思っていたことがある。入国審査では職員が皆、寡黙で表情がないことだ。
ある時ふと、「ただいま」と言ったらどうなるかと思いつき、ドキドキしながら男性職員に言ってみた。すると職員は私の顔を見て苦笑し、何事もなかったかのようにあくまでまじめに対応した。たぶん私にあきれていたはずだ。
その後、海外に住む娘の国に「家族呼び寄せビザ」で移住を決意し、私は日本を離れた。だが、住んでみる前は分からなかった生活の違いに疲れ、娘の反対を背にノコノコと帰国した。
日本は便利で豊かで恵まれている、日本人は実直で勤勉な民族だと再認識して入国審査の窓口に立ち、万感の思いで「ただいま」と担当の女性職員に声をかけた。彼女は驚きを隠しつつ、「お帰りなさい」とあいさつを返してくれた。笑顔はなかったが、うれしくて涙が出そうになった。
そして、リゾートから帰った先日。20代とおぼしき若い男性職員に「ただいま」と言ってみた。彼は驚き、とっさに「はい」と答えた。(驚かせてごめんなさい)という心境の私。すると彼は、ヘラヘラと遊んできた私に「お疲れさまでした」とねぎらいの言葉を添えて、パスポートを返してくれた。
すっかり恐縮してお礼を言いながら、日本の玄関で日本人として職務を果たす忠実な姿を頼もしく思った。
杉本洋子(すぎもと・ようこ 69歳・主婦)=北見市
(以上、北海道新聞より引用)
■ ■
今日は休診日です。
新聞を読んでいて、
思わずにっこりしてしまいました。
北見市の杉本洋子さま、
♡素敵♡な女性だと思います。
今度、海外から帰国して、
入国審査があったら、
私もやってみます。
ただいま
■ ■
ハワイに行ったことがあります。
入国審査の担当官は、
とても笑顔が素敵でした。
思わず、
アロハ~
…と言いたくなるような対応でした。
今は忙しいし裁判もあります。
海外に行く時間はありません。
いつかまた海外に行ったら、
帰国時の入国審査で、
必ずただいまと言います。
杉本洋子さま、
いいお話しをありがとうございました。