院長の休日
散布の高級養殖ウニ③
平成29年12月15日、北海道新聞朝刊の記事です。
散布の高級養殖ウニ③
フル生産へ 体制も着々
「ようやく被害から回復し、フル生産に移れる。無事に育ってほしい」。2017年11月10日。釧路管内浜中町の火散布(ひちりっぷ)沼で、散布漁協うに養殖部会の野呂憲一さん(57)は、次男の健二さん(27)らと根室管内別海町から搬入したウニの種苗2万粒を籠に入れながら願った。
■豪雨対策研究
急がれる集中豪雨対策。部会員の一部は2015年と2016年の大雨時、沼の中ほどにある塩分濃度の下がりにくい水域に籠を避難させ、切り抜けた。これを受け、部会や町などは昨年、大阪府立大大学院工学研究科の二瓶泰範准教授(38)=船舶海洋工学=、神戸大大学院海事科学研究科の中田聡史特命助教(41)=海洋物理学=と共同研究を始めた。
大雨の際、沼内部の各地点で塩分濃度がどう変化するか、実測値と気象データを基に試算して、避難に適した水域を正確に割り出すのが狙いだ。2人は「だいぶ正確に試算できる時代。養殖業の役に立てるはず」と力を込める。
避難に適した水域は流れが緩やかだと予想されるため、適した水域全体をオイルフェンスなどで囲い、塩分濃度の低下を防ぐ構想も描く。被害に備え、共済制度の対象に養殖ウニを加えてもらうよう国などへ要請活動を展開したところ、2014年度に加入できた。
「毎年1月上旬ごろ、ほとんど品切れになってしまう。作れば売れるのだが」。部会長の村田準逸(じゅんいつ)さん(63)は現状を語る。養殖ウニへの参入を希望する組合員は増えたが、養殖に適した水域は満杯で、ほとんど規模が拡大できなかった。
しかし2015年度、沼内部の航路に堆積した土砂を取り除く工事が始まり、状況が変わった。新たな空きスペースを活用し、2018、2019年度に各8戸分の養殖場所を確保できる見通しになった。
■生産量倍増へ
「生産量が増えれば、市場での存在感が高まる」。散布産養殖ウニの大部分を加工する小川水産(浜中町)の小川雅弘社長(43)は、増産の意義を強調する。
町も「地域の活力につながっており、支援したい」(松本博町長)と動きだした。現在は種苗の全量を道内各地からの供給に頼っているが、町内2漁協(散布、浜中)の養殖や放流用に、町は約5億円かけて種苗センターの建設を計画。2021年度から、2漁協の現在の必要量の約4割に当たる年間300万粒を生産する。
センターの種苗を得て散布漁協がフル生産する2024年度には水揚げ量・高とも現在の2倍の40トン、1億6千万円を見込み、主力のコンブ漁(昨年度取扱高5億5千万円)、秋サケ漁(同2億円)に次ぐ柱となる。
四半世紀前、有志11戸が手探りで始めた事業は、都市のグルメをうならせ、町を支える存在に成長した。
11月10日、浜中町(加藤哲朗撮影)
(以上、北海道新聞より引用)
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北海道新聞社、厚岸支局の村岡健一記者が書かれた、
ちりっぷ散布漁協(釧路管内浜中町)の高級うに
同業の先生が、
銀座久兵衛きゅうべいでうにを召し上がる時に、
ちりっぷという地名を思い出してください。
籠に昆布を入れて、
そこにうにの稚貝を入れて養殖するなんて、
考えてもみませんでした。
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釧路管内浜中町の火散布沼ひちりっぷ沼
…も知りませんでした。
私は浜中のうには、
浜中の昆布森こんぶもりで、
海の中で育ったうにだと思っていました。
北海道新聞に掲載された写真を見て、
これは全国の人に知ってほしいと思いました。
北海道新聞社、厚岸支局の村岡健一さん
いい記事をありがとうございました。
今年、私が北海道新聞で読んだ記事の中で一番でした。
来年もためになる記事を書いてください。
ありがとうございました。