医学講座
市立札幌病院44病床削減へ
平成29年12月15日、北海道新聞朝刊の記事です。
市立札幌病院、44病床削減へ 稼働率低迷、効率化図る
市立札幌病院(札幌市中央区)は、12月28日をめどに、病床数を747床から44床減らし、703床に縮小する方針を決めた。縮小分は「休止扱い」とし、8階の半分の使用を中止する。病床の年間稼働率(2016年度)が70%と低迷しているため、規模縮小により経営効率を高める。
33診療科がある同病院では、51床削減した2015年に続く病床数見直しとなる。8階にある二つの病棟のうち、1病棟を休止して入院患者には別の病棟に移ってもらう。看護師ら医療スタッフも配置転換する。病棟ごと休止するのは初めて。当面は急な患者増に対応できるようベッドなど設備を残すが、問題がなければ許可の廃止も検討する。
今回の見直しで各病棟にあった空き病床が減って人員配置が効率的に行え、看護体制を充実できるという。スタッフの時間外勤務短縮で労働環境改善や人件費圧縮を図り、光熱費や清掃費の圧縮も期待する。
また、診療科ごとに病床数の枠を割り当てる方法も取りやめ、全病床を一元管理する仕組みを今月下旬から導入する。診療科間での調整の手間を省き、効率を高める。
同病院は16年度に経常損失約16億円を計上し、3年連続の赤字となっている。市内医療機関との競争に加え、入院患者の在院日数短縮につながる診療報酬改定で平均在院日数が減り、収入が伸び悩んだ。スタッフの人件費上昇など経費は増加。17年度の黒字転換も難しいとみられる。赤字を穴埋めしてきた内部留保も、16年度で底を突いている。
一方で、救急や周産期など、札幌圏の地域医療支援病院としての役割も大きく、経営改善は急務だ。経営管理部は「病床縮小が即効性ある改善策とはいえないが、地道な対策を続ける」と話している。
(以上、北海道新聞より引用)
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残念なことです。
私が医師としての青春時代を過ごした、
市立札幌病院です。
たくさんの思い出があります。
赤字の原因は
市立札幌病院のせいではありません。
国の医療政策のためです。
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私の家から一番近い大きな病院が、
市立札幌病院です。
近くに住んでいるのに、
紹介状がないと市立札幌病院にかかれません。
紹介状がないと、
5400円も余計に取られます
市立札幌病院で働く、
医師や看護師も紹介状がないとかかれません。
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大きな病院はどこも大変です。
国の医療政策を読み間違えると…
あっという間に倒産の危機です。
全国的に見ても、
大きな○○病院の近くに、
似たような名前の
○○クリニック
…を見ることがあります。
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民間の医療機関ですと、
近くにクリニックを作ることができますが、
市立札幌病院のような公立病院では無理です。
大学にたとえると、
大きないい大学あったとして、
入学試験のレベルを突然上げたり、
入学時費用を突然上げるのと同じです。
44病床削減は苦渋の決断だったと思います。
国の医療政策をうらみます。