医学講座

形成外科への迷信

 はっきり言います。
 私は美容外科より形成外科が好きです
 形成外科は、
 何らかの形態異常を、
 正常に近づけるのが仕事です。
 生まれつきの病気
 外傷
 癌による組織欠損
 何とか修復するのが形成外科学です。
      ■         ■
 形成外科医にも、
 いろんな先生がいます。
 日本形成外科学会専門医でも、
 技術力の差があります
 あまり技術力がない専門医もいます
 先生を選ぶ時には、
 何が得意な先生か?
 よく見極める必要があります。
      ■         ■
 形成外科への迷信です。
①形成外科に行くとキズあとは残らない
 形成外科医をしていて、
 一番困るのが、
 キズは残りますか?
 …というご質問です。
 期待されているのはわかります。
 でも、キズは残るのです。
 「絶対にキズは残りません」と言うのは、
 ウソが上手な先生か素人の先生です。

 少しでもキズを目立たなくするのが形成外科なんです。
      ■         ■
②美容外科に行くとキズは消せる
 形成外科医で消えなかったキズでも、
 お金を出して美容外科に行くと、
 最新のレーザーでキズを消せる
 …というのは大きな誤解です。
 確かに保険外診療で最新のレーザー機器を使えるのが美容外科です。
 でも、魔法のようにキズを消すレーザー機器は2018年2月現在はありません。
 IT技術は進歩しましたが、
 医療の世界はそこまで進歩していません。
      ■         ■
③切る眼瞼下垂症手術は戻らない
 今、私が一番多くしている手術が、
 眼瞼下垂症手術です
 埋没法の二重手術は戻るというのは知られていても、
 切開したのに戻る
 …というのはあまり知られていません。
 生まれつきのぱっちり二重の人でも、
 毎日目をこすっているとなる病気が眼瞼下垂症です。
 ハードコンタクトを長年使っていても、
 眼瞼下垂症になる人がいます。
 目は動く部位です。
 こすると元に戻ることがあります。
      ■         ■
④わきが手術をすると汗が出なくなる
 わきがと多汗症は別の病気です
 私も昔は知りませんでした。
 ワキガのにおいと汗のにおい
 …は違うにおいです。
 多汗症の人に、
 わきが手術をしても、
 数ヵ月は汗が出ません。
 でも、
 脇の皮膚の感覚が戻るころ
 つまり脇の神経が再生すると、
 しっとりとした汗が出るようになります
      ■         ■
 まだまだ書きたいことはたくさんあります。
 形成外科への期待はわかります。
 でも、
 できないことはできない
 …とはっきり言うのも、
 私たちの仕事だと思っています。
 少しでも形成外科への迷信をなくして、
 患者さんのしあわせのために、
 毎日がんばって院長日記を書いています。

“形成外科への迷信”へのコメントを見る

TEL 011-231-6666ご相談ご予約このページのトップへ