昔の記憶
第27回新聞配達に関するエッセーコンテスト
今日は2020年11月16日(月)です。
新型コロナの感染者数が増えています。
北海道では、
札幌と各地の行き来を制限するようです。
仕方がないことだと思いますが、
飲食店は大丈夫だろうか?と心配になります。
今日の北海道新聞朝刊に日本新聞協会の広告が掲載されていました。
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第27回新聞配達に関するエッセーコンテスト
応募総数6,065編の中で
大学生・社会人部門の
最優秀賞です。
「祖父の手帳」
大塚遥香(31歳)静岡市
祖父は配達屋さんだった。山の中の集落では、毎日険しい坂を上り下りするのは大変だったろう。遊びに行くと、よく私に肩たたきをせがんできたものだ。そんな祖父からは、しわくちやの千円札が入ったお年玉袋をもらった。いつも「少なくてすまん」と言われながら。ありがとうと返しながらも、私は子供心に、少ないなあなんて思っていた。
大学生のとき、祖父は亡くなった。かけつけると、冷たくなった祖父の枕元には、一冊の手帳があった。手帳には、配達先のお客さんのことがたくさん書いてあった。通院予定や畑の農作物の種類まで、鉛筆で殴り書きされていた。
私はこの瞬間、祖父が地域の人たちをどれだけ愛していたのか、初めて知ったのだった。そして、毎年くれた、しわくちゃの千円札は、祖父が必死に働いた証しだった。そう気付いたときには、もう祖父はこの世にはいなかった。私は大声で、何時間も泣き続けた。
祖父の手帳は、私の宝物だ。毎朝新聞を読むとき、祖父の優しい笑顔を、ふと思い出す。
(以上、北海道新聞より引用)
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他にも、
北海道胆振東部地震の時に、
北海道新聞を配達してくださったことについてのエッセーが入賞していました。
私は新聞が好きです。
米国では新聞社の廃業が増えています。
北海道新聞社は配達屋さんを大切にしています。
紙の新聞を定期購読していると、
電子版も無料で読めます。
新聞社を支えていた、
配達屋さんのおじいちゃんの
優しい笑顔が目に浮かびます。