医学講座
北海道新聞_新聞協会賞_破断した腐食レール
今日は2025年9月4日(木)です。
北海道新聞社が新聞協会賞を受賞しました。
おめでとうございます。
今日の道新と道新電子版に詳しく載っていました。
北海道新聞愛読者としてうれしいです。
この写真はよく覚えています。
どうやって撮ったのだろうと思っていました。
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北海道新聞社が脱線事故スクープ写真で新聞協会賞 腐食レールの断面撮影、事故原因の核心に迫る
日本新聞協会は3日、2025年度の新聞協会賞を発表した。北海道新聞社の「『JR貨物脱線事故 破断した腐食レール』のスクープ写真」(野沢俊介記者=函館支社報道部写真映像課)など計7件が選ばれた。
北海道新聞社が受賞した写真は24年11月16日未明、渡島管内森町のJR函館線で発生した貨物列車の脱線事故の際に撮影し、同19日朝刊に掲載した。取材で得た情報を基に、規制線の外から望遠レンズを構え、腐食で著しく薄くなったレールの断面を捉えた。事故原因が特定されていない段階で、核心に迫る写真となった。
北海道新聞社が新聞協会賞を受賞するのは、22年度の「安倍政権の日ロ交渉を追った長期連載・消えた『四島返還』を柱とする『#北方領土考』キャンペーン」以来で、通算11回目。このうち写真による受賞は1977年度の「『ソ連ミグ25戦闘機によるベレンコ中尉亡命事件』の写真報道」以来、通算2回目。
新聞協会は授賞理由で「事故原因を雄弁に語るショットは写真の力を改めて示すとともに、インフラの老朽化に警鐘を鳴らした報道」と高く評価した。
新聞協会賞に105件、新聞技術賞に4件、新聞経営賞に3件の応募があった。授賞式は10月15日、東京・帝国ホテルで開催される第78回新聞大会で行われる。
その他の受賞は次の通り。
【新聞協会賞】▽朝日新聞社「日本郵便による不当に高額な違約金や不適切点呼をめぐる一連の特報」▽信濃毎日新聞社「長野県石油商業組合『ガソリン価格カルテル疑惑』を巡る一連のスクープ」▽中国新聞社「写真連載『里海の今』」▽神戸新聞社「阪神・淡路大震災30年報道」▽中国新聞社「被爆80年企画『ヒロシマ ドキュメント』」▽日本放送協会「NHKスペシャル『オンラインカジノ “人間操作”の正体』」【新聞技術賞】日本経済新聞社「Ask!NIKKEI『広く、深く、早く知る。』ニュースに新たな価値を」【新聞経営賞】該当なし
「細すぎるレール」に背筋凍る 新聞協会賞の野沢記者が振り返る撮影の裏側
脱線事故の翌朝、11月の冷たい雨の中、現場では破断したレールの付け替え作業が始まっていました。雨具を着込んで、レールが運び出される動線を予測し、断面が目の前を通過するであろう場所から望遠レンズを構え続けました。
レールは撤去しやすいように複数本に切断された後、腰の高さほどにつり上げられ、それを支える作業員の手や体で隠れる厳しい撮影環境でした。「撮るのは難しいかもしれない」。そう思い始めた時、レールがレンズの先を通過し、作業員が持ち手を変える一瞬の間が生まれ、祈るような気持ちで連続してシャッターを切りました。時間にして1秒間。3枚だけが断面を正面から捉えていました。
■写真確認し言葉失う
撮影では片膝をついて、カメラを地面近くから少し上向きのアングルで固め、レールの動きを確認しやすいようにファインダーではなく、液晶モニターを頼りに狙いました。
撮影した写真を確認し、言葉を失いました。
レールの腹部が、これまで列車の重みに耐えてきたことが想像できないほど細く、今にも折れそうでした。脱線車両が普段、このレールを通っている特急列車だったら大惨事になっていたと、背筋が凍る感覚になったことを覚えています。
JRの事故現場は通常、規制線が張られ、容易には近づけません。近くに道路などがない山間部や海岸沿いでの発生も、地理的な制約で撮影が困難となり、JR側の提供写真を使って報道せざるを得ないケースが多くあります。
今回は道路沿いの踏切が事故現場のため、数メートルの距離まで近づくことができました。だからこそ読者に対し、事故の状況が正確にわかりやすく伝わり、事故原因に結びつくような写真を届ける責任があると考え、撮影に臨みました。
断面の撮影に狙いを定めた理由は複数あります。専門家によるレール損傷の分析、前日夜に現場で見たレール側面のひどいひび割れ、保線経験者による塩水劣化の指摘―。現場で見聞きした内容や、同僚の記者が取材した多角的な情報を基に、断面の写真が事故原因に近づくため必要と考えたためです。北海道新聞の取材網がなければ得られない示唆でした。
事実を捉える写真には、人の心に強く訴える力があると信じています。これからも北海道のさまざまな現場でカメラを向け、物事の背景や埋もれていた事実を明らかにする一枚を撮影したいと思います。(野沢俊介)
(以上、北海道新聞より引用)
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11月17日は寒いです。
写真を見ると雨が降っているようです。
函館から深夜に車を飛ばして現場まで行き、
スクープ写真を撮っていただいたのがすごいです。
報道カメラマンは深夜も早朝も仕事があります。
恩師、故濱本淳二先生のご長男(濱本道夫さん)が道新のカメラマンです。
新聞協会賞おめでとうございます。
これからもいい紙面をつくってください。
とてもうれしいです。