医学講座
ツキノワグマ_被害者の9割が顔面損傷
今日は2025年11月2日(日)です。
さくらんぼさんの市のクマはまだ駆除されていません。
山形県のクマはツキノワグマです。
北海道のヒグマと違って、
人間の顔をねらってきます。
顔が粉々になります。
TBSニュースの記事を紹介します。
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【クマ襲撃】被害者の9割が顔面損傷…鼻がなくなり骨は粉砕「体を大きく見せようと立ち上がって…」医師が語るクマ外傷の実態 47歳男性はあの日を境に人生が一変
被害者の9割が顔面損傷
30年以上にわたり、クマの外傷患者の治療にあたってきた中永士師明なかえはじめ医師です。クマによる外傷には、特徴があると言います。
・秋田大学医学部附属病院 中永士師明医師
「やっぱり(傷をうけた)場所でいくと、ほとんど90%が顔なんですね。顔面外傷といいまして、顔の目から鼻、口、この辺のあたりをケガされるっていう方が多いですよね」
こちらはクマに襲われた患者のCT画像です。顔の骨が砕けているのが分かります。2023年、秋田大学医学部附属病院が受け入れた外傷患者のうち、およそ9割が「顔面」を損傷していました。
・秋田大学医学部附属病院 中永士師明医師
「それこそ顔をバッと一撃で吹っ飛んで、鼻までなくなったっていう人がいたんですね。救急隊がですね、鼻を持ってきてくれたんですよ。それで綺麗に形成外科で鼻がまたくっついたっていうのがあったんです」
・秋田大学医学部附属病院 中永士師明医師
「クマも自分の方が強いんだとか、相手を威嚇しようと思うので、少しでも体を大きく見せようとする。最終的に立ち上がるような感じで飛び掛かってくるので、人間の顔に当たってしまうということです」
またクマに襲われた場合、外からの衝撃による「鈍的外傷」に鋭い爪や牙による「鋭的外傷」が加わるため、複雑で重篤な損傷を伴うと言います。
・秋田大学医学部附属病院 中永士師明医師
「交通事故とか高いところから落とされているような傷だけではなく、ナイフとかでえぐられるような傷も両方が交わるので、結構深い傷になってしまう。しかも骨まで折れてしまうので、やはり感染には注意しないといけない」
「クマに襲われても、ちょっと擦り傷とか、手足をけがするだけだろうと思われたら大違いで、大変な傷になってしまうということです」
【クマ外傷の特徴】
中永医師は、北海道のヒグマは、本州のツキノワグマより体が大きく力も強いので、被害の大きさは比にならないとも話しています。
クマの攻撃で傷を負った部位のうち、顔面が90%、続いて腕70%、頭部60%、脚40%と上半身が圧倒的に多くなっています。
【顔を攻撃する理由】
クマは人を威嚇するために立ち上がるように飛びかかってくるため、人間の顔に攻撃が当たるということです。
また、クマは腕を「水平」に振ってくるそうです。
【クマに襲われた時の防御姿勢】
距離がある場合は、ゆっくり後ずさりするのが前提ですが、クマが飛び掛かってきた場合は、両手を後ろにやって、うつぶせに小さくなり、とにかく首と顔を守ることに徹してください。
クマは相手を威嚇して反撃してこないことがわかると去っていくため、それまでこの姿勢で我慢することが重要です。
餌となるドングリなどが不作となり、クマの行動範囲が拡大しています。どこでクマが出てもおかしくないと思って、行動するようにしましょう。



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中永士師明なかえはじめ先生は救急の先生です。
秋田大学医学部附属病院救急科教授です。
顔を治したのは、
手塚崇文先生(秋田大学医学部形成外科)だと思います。
やぶからいきなりクマが出てきて、
鼻を食いちぎられました。
救急隊が食いちぎられた鼻を持ってきてくれたので、
手塚先生の見事なマイクロサージャリーで血管吻合をして、
鼻をくっつけてくださいました。
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2024年11月の第42回日本頭蓋顎顔面外科学会で、
秋田大学医学部形成外科の手塚崇文先生のご発表を見せていただきました。
手塚先生でなければ、
食いちぎられた鼻をくっつけるのは無理でした。
クマ外傷は重症になります。
バットで殴られてもこんなにひどくなりません。
くれぐれもクマに近づかないでください。
死んだと思ったクマに襲われた人もいます。
赤湯のクマを一日も早く駆除してほしいです。




