医療問題
山の中の交通事故
北海道は広大です。
携帯電話の電波状況は、
かなり良くなりましたが、
山の中では通じないところがあります。
札幌→富良野へ向う道路ですと、
三笠市(みかさ)を過ぎると…
山中に入ります。
携帯の電波は通じなくなります。
■ ■
札幌→帯広へ向う道路でも、
夕張を過ぎて山中に入ると…
携帯のアンテナが…
圏外になります。
携帯電話が通じないところは…
事故に遭っても通報できません。
通りがかりの車に…
助けてもらうしかありません。
■ ■
札幌市内や、
札幌近郊で事故に遭った場合は、
札幌消防に防災ヘリがあります。
ドクターヘリも飛んできてくれます。
ただし、条件があります。
ヘリが飛べるのは、
視界が良い日中だけです。
雲や霧がかかると、
ヘリは飛べません。
■ ■
交通事故は、
霧や雪など、
視界が悪い時に起こります。
北海道の山中で事故に遭い、
瀕死(ひんし)の重症になったとします。
一刻も早く、
救助に来て欲しいです。
ところが…
山の中には救急車がいません。
■ ■
運良く…
携帯が通じて…
救助を要請したとします。
119番です
どうなさいましたか?
交通事故です。
助けてください。
場所はどちらですか…?
夕張と日高の間です。
詳しくわかりません。
■ ■
最近の携帯には、
GPS機能がついているので、
運が良ければ…
位置情報を発信してくれます。
うまく伝わらなければ…
だいたいの場所を伝えることになります。
救急車は、
その土地を管轄する、
消防から助けに来てくれます。
■ ■
事故に遭った場所で、
患者さんの運命が分かれることがあります。
北海道には、
形成外科医が勤務する病院が、
まだ多くはありません。
救命救急センターも限られています。
日勝峠の十勝側、
つまり清水町側でしたら、
JA帯広厚生病院という…
頼りになる病院があります。
形成外科医もいます。
■ ■
鹿と衝突して、
フロントガラスから…
鹿が飛び込んできて、
顔に大けがをしたとします。
札幌→帯広の間に、
形成外科医が常勤している病院は、
ありません。
地元消防の救急車は、
顔の大けがでは、
おそらく
札幌までは搬送してくれません。
■ ■
脳挫傷など、
もっと瀕死の状況だったとします。
ドクターヘリに来て欲しくても…
山の中には着陸できません。
夜間は飛べません。
山の中を走行する時は、
夜間や、
視界が悪い時こそ、
慎重に運転してください。
携帯の電波が通じないところは、
救助にも時間がかかります。
気をつけてください。
“山の中の交通事故”へのコメント
コメントをどうぞ
車を運転される方は、くれぐれも安全運転に心掛けて下さい。
日勝峠の十勝側でしたら、形成外科医はいませんが清水日赤病院に救急搬送される事が多いようです。瀕死の重傷の場合はとりあえず清水日赤に搬送し、その後顔の怪我は帯広厚生病院の形成外科を受診するしか方法はないですよね?
市街地から離れたところで(冬の高速道路、峠、山や渓谷)交通事故だと、救急車だけで対応は厳しい場合も(場所的なこと、道路が凍結していた場合)。ヘリコプターも、霧や強風で大雨だと、飛ばせないこともあるので天候も重要なのですね。形成の先生(常勤の)がいらっしゃらない病院もあるのは困りますよね。スキーシーズンには県外から雪に不慣れな方々が車を運転(レンタカー)されて名所に行かれることもあると思います。もし、事故に遭遇した時、近くに救急病院がなく搬送される所がない(又は遠く)、患者さんはとても不幸ですし、予後にも影響することもありますよね。冬の北海道の医療体制(交通事故、路面凍結など含めて)について北海道全体として見直して頂き良い方向に医療が好転してほしいですね。