医学講座
廃用性萎縮
廃用性萎縮(ハイヨウセイイシュク)と読みます。
筋肉を使わないと、衰えて(オトロエテ)筋肉が細くなることです。
たとえば、足を骨折したとします。
骨折したら骨がくっつくまで、ギプスで固定して動けません。
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骨折の程度にもよりますが、数週間、ギプス固定をしていると、確実に足が細くなります。
だからといって、わざと足を折ったりしないでくださいね。
これは筋トレの逆です。
ボディビルまでしなくても、筋トレをすると、筋肉がついて筋肉隆々になります。
使わないと、筋肉は衰えます。
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この廃用性萎縮を利用して、小顔にするのが、えらボトックスです。
硬いものを噛む癖のある人。
スポーツなどで奥歯を噛みしめる癖のある人。
噛み合わせが悪く、いつもどちらか片方で物を噛む人。
硬いものが好きで、いつでも噛んでいる人。
こういう人は、知らず知らずのうちに、咬筋という筋肉の筋トレをしていることになります。
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毎日まいにち、噛み続けていると、噛む筋肉=咬筋(コウキン)がボディビルをしたように発達してしまいます。
耳の前に手を当てて、奥歯をグッと噛みしめてください。
骨の上で、ボコっと膨らんだのが咬筋です。
咬筋が発達していると、どんなに体重を落として痩せても、ホッペだけ小顔になりません。
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片方だけ、咬筋が発達してしまった病態(ビョウタイ)を片側咬筋肥大症(ヘンソクコウキンヒダイショウ)といいます。
大学病院に勤務していた時に、口腔外科(コウクウゲカ)の先生と一緒に咬筋を減らす手術をしたことがあります。
入院手術をしましたが、術後は逆に悪くなった?と思うほど腫れます。
手術で咬筋を取ると、腫れがとれるまでに数ヵ月はかかります。
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えらボトックスは、耳の前に少量の注射をするだけです。
ボトックスを注射すると、神経から筋肉へ‘収縮しなさい’という‘信号’が伝わらなくなります。
信号が伝わらないので、筋肉は筋トレをお休みします。
噛む力が弱くなりますので、硬いものが食べたくなくなります。
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注射して、数週間もすると、噛んでも筋肉がポコっと膨らまなくなります。
耳の前で膨らんでいた筋肉が薄くなると、小顔になってきます。
残念ですが、ボトックスは筋肉だけに効き、脂肪には効きません。
えらボトックスが効くのは、咬筋が発達している方だけです。脂肪には効きません。
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ボトックスが効いているのは、約6ヵ月間です。
ボトックスの効果が弱くなってきた時に、また‘筋トレ’をすると、筋肉は発達してしまいます。
噛み合わせの異常など、歯科的な問題がある方は、矯正歯科をご紹介しています。
外国では、ボトックス注射を‘歯ぎしり’の治療として行うこともあるそうです。
小顔になりたい方は、一度相談にいらしてください。
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