医学講座

鬱(うつ)の字書くなら「きかんきわ…」

 平成22年8月4日、朝日新聞朝刊、声の欄への投稿です。
 (うつ)の字書くなら「きかんきわ…」
 無職 日野清子(岐阜県大垣市 73)
 7月6日朝刊の文化面。詩人、萩原朔太郎が「鬱(うつ)」の字に執着した逸話は面白かった。このたび、常用漢字に加えられることでも話題になった。「鬱」のほか語彙(ごい)の「彙」などの難解字も追加され、安易にパソコンや携帯メールで打てるだけではいけない。書いて覚え、書けるようにならねば。
 追加された196字の中で、「鬱」の字は特別に難しいが、簡単に書ける方法がある。魔法の言葉は――「きかんきわ_こめのはこいり_ひにみっつ」
 俳句のように五・七・五で覚える。亡夫が昔、高校で生徒たちに教えていた方法だ。
 まず上の部分。「きかんきわ」で、そしてかんむり。次は下の部分。「こめのはこいり」で、(はこ)に入れ、「ひにみっつ」で、と右下の(さんづくり)。
 さて、あなたも書けましたか。
      ■         ■
 恥ずかしながら…
 私は鬱(うつ)の字を書けませんでした。
 岐阜県の日野清子様、ありがとうございました。
 おかげさまで、
 鬱の字を覚えました。
 電子カルテなので、
 紙に書くことは少なくなりましたが、
 を忘れたら院長日記を検索します。
      ■         ■
 「きかんきわ」で
 
 そしてかんむり。
 次は下の部分。
 「こめのはこいり」で、
 (はこ)に入れ、
 「ひにみっつ」で、
 と右下の(さんづくり)。
      ■         ■
 もっと恥ずかしいことに…
 (はこ)という字も、
 (さんづくり)も知りませんでした。
 PCで変換するのに…
 苦労して探しました。
 日本人なのに…
 知らないことがたくさんあります。
      ■         ■
 最近の大学生…
 (特に医学部系…)
 センター試験で国語があっても、
 漢字を書くことをしないので…
 漢字に弱い学生がたくさんいます。
 紙カルテの時代には、
 よくこんな字でお医者さんになったなぁ…
 という先生もいました。
      ■         ■
 入試に出ないことは…
 知らない人がたくさんいます。
 偏差値が高くても…
 常識がない人もたくさんいます。
 私も…
 常識人の一人です。
 頭がボケないように…
 新聞を読んで院長日記を書いています。
 みなさんも新聞を読みましょう

“鬱(うつ)の字書くなら「きかんきわ…」”へのコメント

  1. さくらんぼ より:

    すみません。常識がなく漢字が書けないとか私の事のようです。
    うつ は変換できますが、訓読みがわからず変換できない漢字はひらがなで書いています。
    入院したとき 同室の方で某病院の脳神経外科医のお母様で俳句の先生がいらしたので、よく部屋の方と漢字や俳句の話しをしました。病院で初診の時必ず病歴を書かねばなりませんが、私は扁桃腺、右ソケイヘルニア、子宮筋腫、胆嚢炎、肺炎、巻き爪、背部脂肪腫、脊髄馬尾神経腫瘍神経鞘腫、頚部脊柱管狭窄症、と 書けなくて困りました。ソケイはいまだになんて変換すればでるのかもわかりません。だからいつも 全部書いた用紙を持ち歩き コピーしてもらっています。
    常識と知識がないさくらんぼのCommentをいつも掲載していただきありがとうございます。

  2. 菅野 仁 より:

    最近、我々大人も字が書けなくなりました。

    今回196文字の答申があった、5月20日の新聞には、「書くから打つ」の見出しがありました。

    でも、今回の追加文字は犯罪や体の部位、病気に纏わる感じばかり、さわやかなのは、爽と虹ぐらい。

    世相とはいえ、戦後初めての大改定がこれでは、日本は暗くなるばかりですね。

    例えば、脳梗塞、胃潰瘍、腫瘍、腎臓、脊髄、脊椎、傷痕、顎関節、頭蓋骨、咽喉、股間、痩身、生爪、瞳孔、捻挫、眉間、膝頭、哺乳類、冥福、脇腹、嗅覚、臼歯等みな先生の仕事の範疇ですね。

    一方、淫欲、怨恨、妖艶、亀裂、毀損、拳銃、禁固、命乞い、傷跡、餌食、叱責、嫉妬、呪文、羞恥心、領袖、凄惨、羨望、涙腺、狙撃、失踪、捕捉、破綻、罵声、勃発、拉致、戦慄、賄賂、翻弄、籠城などは、犯罪あるいはその動機、現象を表しているのではと思います。

    今旬のプレジデントを見ると、日本の著名人が心を打たれた名著を紹介していますが、やはり難しい字を使います。躓く、不易流行、逆耳払心、箴言、邂逅等々、先週の週刊新潮では、膂力(りょりょく:筋力のこと)、左見右見(とみこうみ:あっちこっちの意)

    日々是好日ではなく、日々怠けの口実にならないようしたいものです。

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